サッカー

主将の吉村復帰ならず、同志社涙の終戦

金(中央手前)のプレーにも力がこもった

関西学生リーグ後期1部最終節

11月24日@大阪・J-GREEN堺
甲南大(勝ち点8) 2-1 同志社大(15)

同志社にとって、このチームで最後の試合。笑顔で締めくくりたいという全員の思いはかなわず、涙の敗戦となった。

Aチームを総動員

GK白岡ティモシィ(4年、サンフレッチェ広島ユース)は試合前、「来年に向けて勝とう」と言った。甲南大は来シーズンに2部でも戦う相手だけに、負けるわけにはいかない。先に試合を動かしたのは同志社だった。前半30分、MF杉原啓太(4年、星稜)の左足から繰り出されたロングフィードにDF伊藤駿光(1年、清水エスパルスユース)が反応し、グラウンダーのクロス。そのボールをFW金潤求(4年、近大付)がスルーし、フリーで走り込んだFW竹田そら(3年、岡山学芸館)が押し込んでゴール。相手にチャンスを与える場面もあったが、1点リードのまま前半を終えた。

チーム一丸となって最後の試合に臨んだ

後半開始から同志社は竹田に代えてFW岩田尚樹(4年、ジェフ千葉U18)、伊藤に代えてDF高森大夢(4年、JFAアカデミー福島U-18)を投入。けが人を除き、今シーズンAチームで戦ったすべての選手がピッチに出揃った。あとは白星をつかむだけ。しかし8分、右サイドを崩され、試合は振り出しに戻った。同志社は攻撃をしかけるも甲南大の素早いプレスに苦戦。再三ボールを奪われ、決定機を作れなかった。そして40分、DF敷田唯(1年、星稜)のパスがカットされ、同志社ゴール前に走り込んだ甲南大のFW竹原知哉(3年、尼崎)に、この日2点目を決められた。同志社はDF西中竜斗(3年、玉野光南)を前線に上げ、最後まで得点を狙ったが、1-2で試合終了。最終節は黒星となり、今シーズンの幕が閉じた。

吉村は最後、涙ながらに感謝の言葉を述べた

あふれる涙が止まらなかった。「一緒に戦ってくれてありがとう」。試合後、コーチとしてベンチ入りした主将のDF吉村弦(4年、ガンバ大阪ユース)は言葉を詰まらせながら、仲間へ感謝を述べた。2年ぶりに挑んだ1部での戦いは、思うようにはいかなかった。前期は開幕戦から9戦勝ちなしと苦しい戦いが続き、1部残留という目標は一歩ずつ遠のいた。後期にはチームの主力として戦っていた吉村とDF村上寛和(4年、富山第一)がけがで戦線離脱。そのまま戦列に戻れないまま引退となってしまった。苦しい状況が続いても、最終節の試合終了を知らせるホイッスルが鳴るまで、選手はもちろん、チームを支えるスタッフ、スタンドで応援する仲間の誰ひとりあきらめることなく戦った。それだけに、この敗戦は重くのしかかった。

多くの4回生にとって、これがサッカー人生最後の試合だった。サッカーに悔いのない選手もいれば、未練が残る選手もいる。さまざまな感情が渦巻きながらも、後輩への思いは同じだった。「強い同志社をつくってほしい」。同志社サッカー部は次の世代へと託された。

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