筑波、帝京に完敗 選手権へ接点に課題
ここ3試合とは勝手が違った。筑波大の対抗戦最終戦の相手は、大学選手権9連覇中の帝京大。10-66の完敗を喫した。
力のあるタックルで前進できず
11月18日に日体大を破り、3年ぶりの大学選手権出場を決めたが、課題の残った試合だった。帝京戦を前にして主将のHO大西訓平(4年、國學院久我山)は「攻撃の時間を増やして、守備の時間を少なくしたい」と意気込んだが、逆にやられてしまった。
前半3分、筑波は少しずつゲインし、ゴールライン目前まで迫ったところで帝京のCTB尾崎泰雅(2年、伏見工)にパスをインターセプトされた。そのまま独走され、先制トライを許した。その後、時間をかけて攻める相手に対し、筑波はタックルを決めてボールを奪うも、得意のラインアウトを連続で失敗。簡単にボールを失うと、13分にはラインアウトからモールで押し込まれた。さらに、尾崎に連続トライを決められ、0-28と突き放される。その後、徐々にマイボールの時間帯が増えたが、強力なタックルを食らって前進できない。要所でペナルティーも取られ、トライまで持っていけなかった。
後半も帝京ペースで進んだ。帝京の守備に力負けし、攻めているのに下がってしまう。それでも、33分に交代したばかりのFL弘津陽介(2年、神戸)が、インターセプトからのトライを決めた。さらに40分にはSO松永貫汰(1年、大阪産大付)が相手のギャップを突き、最後はWTB仁熊秀斗(2年、石見智翠館)がトライ。意地で2トライを返したが、10-66でノーサイドとなった。
接点の攻防が勝敗を分けた。筑波はボールを持っていても、相手の素早く力強いプレッシャーに押し込まれた。焦りからか、些細なミスを連発。古川拓生監督は「接点でボールをつなぐスキルが低かった」と振り返る。
一方の守りでは、相手がタックルされた後のカバーが速くて苦しめられた。これまで以上に相手を返すタックルを決めた筑波大だが、ターンオーバーにまで至ったものは少なかった。SH杉山優平(3年、大阪桐蔭)は「帝京大はコンタクトの強さだけでなく、ターンオーバーも狙える。判断も優れてました」と振り返る。
大学選手権では関東リーグ戦2位の大東文化大と対戦する。トンガ出身のタラウ・ファカタヴァ(4年、ティマルーボーイズ)とアマト・ファカタヴァ(同、同)の「ファカタヴァ兄弟」を軸としたFWに自信を持った手強い相手だ。接点での攻防で少しでも優位に立つことが勝利への鍵となるだろう。初の日本一を目指す筑波大の修正力に期待したい。