ラグビー

創部100周年の早大、8年ぶりの対抗戦V

ノーサイドを迎え、歓喜の早稲田フィフティーン (撮影・斉藤健仁)

関東大学対抗戦Aグループ

12月2日@東京・秩父宮
早稲田大(6勝1敗)31-27 明治大(5勝2敗)

底冷えのする曇り空の下、赤黒のフィフティーンが歓喜に沸いた。

伝統の「早明戦」は5勝1敗同士の激突となり、勝った方が帝京と同時優勝が決まるという一戦になった。前売りチケットは完売し、22256人の超満員の中、熱戦が繰り広げられた。

早稲田は慶應戦同様に「ディフェンスで勝つ」をテーマに掲げた。相良南海夫監督に「先のことを考えずに早明戦に集中しろ」と送り出されたフィフティーンが躍動する。前半3分、ラインアウトを起点に攻め込み、ルーキーのFB河瀬諒介(東海大仰星)が左中間にトライを挙げて先制。SH齋藤直人(3年、桐蔭学園)のゴールも決まり、7-0とする。

その後、早稲田は、FWの近場を突いてきた明治のアタックをダブルタックルで抑えてトライを許さない。明治が2本、早稲田が1本のPGを決め合い、迎えた30分。早稲田SO岸岡智樹(3年、東海大仰星)がカウンターで抜け出し、相手を引きつけてNo.8丸尾崇真(2年、早稲田実)にパス。丸尾が左隅に押さえ、ゴールも決まって17-6とリードする。

明治も負けてはいない。34分、この試合で終始優勢だったスクラムを押し込み、展開。SO松尾将太郎(4年、東福岡)からパスを受けたWTB髙橋汰地(4年、常翔学園)が中央に飛び込んでトライ。SO松尾のゴールも決まり、17-13と追い上げてハーフタイムを迎えた。

前半34分、明治WTB髙橋のトライで追い上げる (撮影・斉藤健仁)

後半は明治が優勢。11分、相手ペナルティーからPGではなくスクラムを選択。そのスクラムで明治がペナルティーを犯してしまい、得点できず。すると今度は早稲田ペースとなる。14分、19分とダブルラインの裏に立っていたCTB中野将伍(3年、東筑)が豪脚を見せつけて連続トライを挙げ、早稲田が31-13と突き放した。

追いかける明治は積極的にボールを動かし、途中出場のWTB山﨑洋之(3年、筑紫)のランでチャンスメイク。37分には同じく途中出場のHO松岡賢太(3年、京都成章)が中央にトライ。さらにロスタイムには、1年生ながら先発に抜擢されたFB雲山弘貴(報徳学園)がトライを挙げ、31-27と追い上げた。

残り1プレーで明治は逆転を狙って攻めたが、早稲田のディフェンスが上回り、そのままノーサイド。MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)には2トライを挙げた早稲田CTB中野が選出。中野は「このような伝統ある試合でMOMが取れてうれしい。課題もたくさんあるので、大学選手権に向けてレベルアップして、もっと活躍したいです」と話した。

早稲田はすでに8連覇を決めていた帝京と同時優勝。8年ぶり23度目の優勝だった。明治は5勝2敗で3位。早明戦の通算成績は早稲田の54勝38敗2分となった。なお大学選手権に向けた順位は1位帝京、2位早稲田、3位慶應、4位明治、5位筑波。対抗戦からはこの5校が大学選手権に出場する。

2トライを挙げ、MOMに輝いた早大CTB中野 (撮影・谷本結利)



◇早稲田 相良南海夫監督
本当にうれしいです。ただただうれしいです。ディフェンスで勝つことがテーマだったので、必ず守りきってくれると信じてました。最後までアグレッシブに戦ってくれたので、選手を信じて見守ってました。いいタイミングで中野がとってくれた。今日の勝利が選手の成長を表してます。春先からからディフェンスを作りあげ、ディフェンスで勝てたことが選手の成長だと思う。今日に集中していたので、大学選手権はこれから考えたい。早明戦らしい試合で勝ててよかった。

――創部100周年目の対抗戦優勝です
素直にうれしいです。佐藤の代で100周年に歴史を刻めてよかった。

――起き上がりが早かった
起き上がりのところ ディフェンスでチームを作っていく中で、そういうところを意識しよう、と。ディフェンスで立つ人数を増やしていくのを継続して、ずっと積み重ねてきた結果です。ビッグゲームで選手、一人ひとりが意識したこと。ずっと意識してきた中で、厳しいコンディションの中でも選手がやってくれた。

――大学選手権に向けて
これで組み合わせも決まりましたけど、帝京うんぬんではなく、一試合ずつ戦っていきたい。早慶戦、早明戦とメンタル面で張り詰めた部分があったと思うので、その辺をリフレッシュして、再チャレンジしたいなと思います。

◇FL佐藤真吾主将
慶応戦の時もそうだったんですけど、今回も前半から粘り強いディフェンスで前に出ることができて、勝てました。2年で勝ったときより、自分たちの代で勝てた方がうれしい。いままで対抗戦の優勝を味わってないから特別で、何かわからない気持ちです。グラウンドでは常にディフェンスでコミュニケーションして、「お前そこにいろ」とかしゃべることができた。それがテーマだったので、自分が体現できてよかった。早慶、早明とモチベーションを上げてきたので、いつもここからモチベーションが難しくなるんですけど、全員でもう一度大学選手権に向けてやっていきたい。

――創部100周年で、対抗戦で優勝しました。
100周年で、8年ぶりに優勝できて、歴史に名を刻めたのかなという思いで本当にうれしいです。でも、まだまだ。僕らの目標は(大学選手権に優勝した後に歌う)「荒ぶる」なので、ここからスタートをきらないといけないと思っています。ここから一試合一試合が落とせないし、負けたら終わりです。来週の火曜日からもう1度、全員に「ここからがスタートだ」ということを意識させていきたい。

創部100周年で8年ぶりの対抗戦優勝を果たした早大をまとめる主将のFL佐藤 (撮影・谷本結利)

◇明治・田中澄憲監督
悔しい敗戦になりました。今日は早稲田さんのディフェンス、アタックがともに素晴らしかった。明治としては前半、堅くいきすぎました。私のプランだったので、私の責任です。ボールを動かしてから、後半に二つトライを取った。伝統の一戦らしい試合になったと思います。後半やったようなアタックを大学選手権に向けて磨いていきたい。大学選手権は一戦一戦、チャレンジしていくしかない。また八幡山でいい準備をしたい。
 
◇SH福田健太主将
このような伝統のある一戦に出場できて誇りに思います。大勢の前でプレーできてよかった。早稲田さんの堅いディフェンス、ボールを動かすアタックにやられました。完敗したなと思います。ただボールを動かしてからトライがとれたので、もう少し早いうちからボールを動かせばよかった。後半の残り20分で頑張っても、あの点差だときつい。80分通してのゲームメイクを、僕もチームも勉強していかないといけない。対抗戦は優勝できなかったんですけど、大学日本一になるチャンスがあるので、ここからレベルアップしていきたい。

――後半11分、4点差のところでスクラムを選択しました。
拮抗した試合は3点を積み重ねることが大事で、ショットの選択肢もあったんですが、スクラムに自信があったので、セーフティーリードを奪いたいと、スクラムにしました。結果論ですが、ペナルティーを取られた。試合を振り返れば、ターニングポイントだったかなと思います。ペナルティーをもらわないようにしっかり組むことが大事。ゲームの流れを読むことを学びました。

――大学選手権に向けて
初戦は立命館ですが、またビデオは見てません。関西リーグの2位なので、実力はあると思う。僕らもしっかり準備したいです。その先に東海戦があります。夏合宿で試合をして、モールに強みある。立命館や東海の強みを出せないようにしたい。これが終わりじゃない。大学選手権で早稲田、慶應とやれるように、いい準備をしていきたい。

大学選手権での巻き返しを誓う明大フィフティーンと福田主将(手前) (撮影・谷本結利)

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