ラグビー

帝京V10阻止へ 腕ぶす早稲田、明治、東海、大東、天理

明大を破り、9連覇を喜ぶ帝京大の選手たち(前回大会から)

ラグビーの大学王者を決める第55回全国大学選手権大会の3回戦以降の出場校と対戦カードが決まった。3回戦は12月16日、準々決勝が22日、準決勝が来年1月2日、そして決勝は1月12日にある。

帝京が前人未踏の10連覇を達成するのか、今年こそ深紅の王者を止めるチームが現れるのかが、最大の焦点だ。対抗戦8連覇(早大と同時優勝)を果たした帝京だが、春、夏、対抗戦と明治に3連敗。決して盤石ではない。
爆発力があり、関西で敵なしだった天理。トンガ人留学生の突破力と強力スクラムの大東文化。来年からスーパーラグビーのチーフスでプレーするCTBアタアタ・モエアキオラ(4年、目黒学院)が主将の東海。創部100周年の年に対抗戦で8年ぶりの優勝を飾った早稲田。対抗戦は3位だったが、春から好調の明治。例年以上に緊迫感のある試合が期待できそうだ。

すでに1、2回戦が終わり、九州王者の福岡工大が3回戦に進み、12月2日に関東大学対抗戦の全日程が終了して12チームが出揃った。昨年度の決勝に進んだ2校の所属するリーグから、プラスアルファで1チームずつ出場できる。昨年度は対抗戦所属の帝京と明治が優勝を争ったため、対抗戦から5校が出る。

トーナメント図

対抗戦8連覇の帝京、関西を連覇した天理、無敗でリーグ戦王者に輝いた東海、8年ぶりに対抗戦で同時優勝(2位扱い)した早稲田の4校がシードされ、準々決勝から出てくる。
下のトーナメントの山は対抗戦でも8連覇を達成した帝京、関西連覇の天理が一つ抜けた存在である。

帝京は12月22日の準々決勝で流通経済大と福工大戦の勝者と戦うが、ベスト4は硬いだろう。天理も同日の準々決勝で大東と筑波の勝者と対戦するが、大阪で戦えるのは有利に働くはずだ。大東と筑波は大東有利と予想されるが、大東文化はパワフルな展開力を誇っており、天理は筑波には6月の練習試合で負けている。どちらが来ても天理有利とみるが、一筋縄ではいかない。天理が難敵をしっかり倒し、ベスト4に進出できるか。

次に上の山を見て見よう。もちろんリーグ戦王者の東海、対抗戦同時優勝の早稲田が優勢であるのは間違いない。

東海へのチャレンジ権を関西2位の立命館と対抗戦3位(4位扱い)の明治が争う。立命館もFWとBKが一体になったアタックが魅力だが、今シーズン、帝京に3度勝っている昨年度準優勝の明治が総合力で上だろう。1月2日に駒を進めるのは、昨年度同様にシーズン終盤にしっかりとピーキングしてきた東海か、それとも明治か。

準々決勝で早稲田と対戦するのは関西、対抗戦それぞれ3位の京都産業大と慶應義塾大の勝者だ。伝統的にスクラムとモールの強い京産か、キャプテンSO古田京(4年、慶應)を中心にまとまりと総合力の高い慶應か。もし慶應が勝利した場合、12月22日に「早慶戦」が実現することになる。

大学選手権は負けたら終わりのノックアウト方式である。ここまで来れば、リーグ戦の順位や下馬評は関係ない。どのチームも相手より1点でも上回り、次のステージに進むことを考えているはずだ。
そして4年生にとっては大学最後。負けた瞬間に大学ラグビーが終わる。意地とプライドでチームを引っ張る4年生の多いチームが頂点に駆け上がるはずだ。
1月12日の決勝で勝利して栄光を掴むのは今年度も帝京か、果たしてそれ以外の大学なのか。好勝負必至の大学選手権が本格的に動き始める。

◇第55回全国大学選手権出場校14校
■関東大学対抗戦Aグループ 5校 ※3校+昨年度優勝、準優勝校所属リーグ
優勝 帝京大(20大会連続26回目)※1位扱い
優勝 早稲田大(35大会連続52回目)※2位扱い
3位 慶應義塾大( 21大会連続36回目)※3位扱い
3位 明治大(10大会連続47回目)※4位扱い
5位 筑波大( 3大会ぶり 21回目)

■関東大学リーグ戦1部 3校
優勝 東海大(14大会連続16回目)
2位 大東文化大(6大会連続26回目)
3位 流通経済大(11大会連続19回目)

■関西大学Aリーグ 3校
優勝 天理大(5大会連続27回目)
2位 立命館大(2大会連続19回目)
3位 京都産業大(6大会連続32回目)

■東北・北海道代表
北海道大(初出場) ※1回戦敗退

■東海北陸・中国四国代表
朝日大(7大会連続7回目)※2回戦敗退

■九州学生リーグI部
福岡工業大(2大会ぶり26回目の出場)

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