関学17年ぶり日本一で、ドームに青の大輪を
挑戦権を得た。関学は1月3日恒例のライスボウルに2年ぶりの出場となった。3連覇がかかる富士通とは、このボウルゲームで3度目の対戦。2015年は24-33、17年は13-30で関学が負けている。学生が勝ったのは09年の立命が最後という状況だが、新チームが始まったときに掲げた「社会人に勝って日本一」という目標を達成すべく、圧倒的な力の差がある相手に立ち向かう。
ニクソンを止めろ
富士通にはアメリカの大学でプレー経験のある外国人選手が4人いる。鳥内秀晃監督も「規格外の選手が何人もいて、フィジカルがあまりに違いすぎるわ」と嘆く。RBのトラショーン・ニクソンは、Xリーグの決勝で三つのタッチダウンを奪い、MVPを獲得した。昨年まではLBだった。身長186cm、体重106kgというライン並のサイズの選手が日本のRBと同じスピードで走ってくるのだからやっかいだ。QBは新加入のマイケル・バードソンが担う。彼も195cm、110kgあって、投げてよし、走ってよし。関学ディフェンスが一人でタックルを決めるのは難しい。パシュートを徹底し、なんとかロングゲインを防ぎたい。
関学オフェンスが警戒するのは、最前線のDL。体重100kg超えの日本人DL3人が待ち構える。QB奥野耕世(2年、関西学院)に注目が集まる中、OLの5人をキーマンに挙げたい。この試合も1Q15分。通常の1Q12分で換算すると5Q分の戦いの中で、いかにOLが粘れるかに命運がかかる。先発5人中唯一の4回生でライトタックルの光岡昌典(箕面自由学園)やQB奥野の大親友で、今シーズンはスタメンを張り続けたレフトガード高木慶太(2年、関西学院)を中心としたOLユニットに期待したい。
頭脳戦も勝敗を左右する。過去2度の富士通戦では数十もの奇策を用意した。だが、「2年前はいらんことやり過ぎた。あとで見たら結構普通のランが進んでた」と名将は振り返る。今回は記者会見で「スペシャルなしでいきます、って書いといて」とひとこと。正攻法で真っ向勝負するのか、要所でスペシャルプレーを仕掛けるのか。鳥内監督の采配はいかに。
富士通の藤田智ヘッドコーチは京大出身。主将の宜本潤平は立命出身。ほかにも立命や日大の出身選手が多い。「反関学連合軍」との対決ともいえる。関学のライスボウル優勝は02年にアサヒ飲料に勝った1度のみ。QB光藤航哉主将(4年、同志社国際)は「1年間やってきたことを証明する。全員でやって社会人に勝ちます」と誓う。東京ドームに青の大輪を。真の日本一になって、ファイターズの歴史を変える。