就活もラクロスもバイトも 住友商事・松本理沙【体育会 就活企画】
【ラクロス部→総合商社】
体育会系学生には日々の練習があり、週末には試合があります。その合間に就活をしないといけないため、肉体的にも精神的にも大変だと言われます。先輩たちは、どうやって乗り切ってきたのでしょうか。2014年、15年と全日本選手権を連覇した明治大学ラクロス部女子の元主将で、総合商社・住友商事の不動産部門で働く入社3年目の松本理沙さん(25)にお話をうかがいました。
――松本さんは全日本選手権で2年連続でMVPを受賞。4年生だった2015年7月には、タイで開催されたアジア大会でU22日本代表の主将を務めたんですよね。あれ、でも4年生の前期といえば就職活動まっさかりの時期では? 両立はできたんですか?
いや、それはもう大変でした(笑)。ラクロス部は平日は朝の7時からお昼の12時まで練習するんですが、筆記試験などが重なると、練習を途中で抜けて、スーツに着替えて。大きな用具一式を背負って電車に乗って。しかも市営の土のコートで練習していてシャワーもなかったので、土ぼこりを落とすために水道の蛇口の水を髪の毛にジャーッと……。夜は居酒屋のバイトを就活中も続けていて、家に帰ったら疲れて寝る生活でした。キツすぎて3、4kgはやせましたね。
――7月は海外で試合ということは就職活動も中断せざるを得なかったのでは?
そうですね。7月に3週間くらい海外に滞在したので、その間は就活はできなかったんですが、幸い、その年は面接が本格的に始まるのが8月からだったので、何とかなりました。ただ、ES(エントリーシート)などの提出物はすべて、6月中に出し終わるようにしました。
日程的には厳しかったんですけど、「部活が忙しいから就活ができてない」とか、「就活があるから部活をおろそかにしてる」なんて思われたくなかったんです。だから就活も本気で努力しましたし、部活も練習に出られなかった分は筋トレで補ったりして、レベルを維持するよう気をつけました。
――それだけ大変な日々を乗り切るために、工夫をしたことはありますか?
とにかくムダな時間をつくらないこと。自分で無理だな、と思うスケジュールは組まないようにしてました。たとえば厳しい練習の合間に企業の説明会に行っても、疲れてウトウトしてしまうだけ。だから、思い切って説明会にはあまり行かないようにして、代わりにOB・OG訪問を頑張りました。お会いしたのは計15人くらいです。
それと、自分はSPIなどの筆記試験対策が出来ていないという自覚があったので、練習後の午後は1日3時間くらい図書館にこもって勉強をしました。
――面接ではどんなことをアピールしたんですか?
小学校から陸上、バレーと部活動をずっと続けてきて、そのすべてでキャプテンを経験したので、リーダーシップが強みだと話しました。
とくに私は新しいところに身を置いて、できないことをできるようにするのが好きなんです。ラクロスは私も含め、ほとんどの人が大学から始めるので、最初はできない人ばかり。その苦しさを知った上で、どうすればできるようになるのかを伝えられないと、人の上に立てない。そうした経験が企業でも生きるのではないでしょうか、という話をしました。
――明大ラクロス部の理念は「社会で活躍するいい女」なんですよね? ラクロス部の経験は、その後の仕事に生きていると感じますか?
はい。それは強く感じます。私たちのチームは絶対的なコーチや監督がいるわけではないので、練習も自分たちで組み立てなければならない。練習場所の確保も自分たちでやりますし、活動費も部員たちがアルバイトなんかで稼いだ部費で成り立っている。一人ひとりが自分の役割をしっかり果たさないと、チームが崩れてしまうんです。
チームをうまく運営していくためには、部員や外部の人としっかりコミュニケーションをとって、相手がどんな気持ちでいるのかを考えながら、プロジェクトを進めることが大切です。これは会社に入ってからやっていることと、そんなに変わらない気がします。
――これから就活をする体育会系の学生たちに伝えたいことは。
採用されたいと思って、つい猫をかぶってしまう人が多いと感じますが、まずは素直に自分の気持ちを伝えるのが大切だと思います。私も勉強のことを聞かれたら「すみません……。でもこれから頑張る自信はあります」と答えてました。企業に選ばれるのではなく、自分が企業を選ぶんだ、くらいの気持ちで臨んだらいいと思います。
3月18日(月)4years.就活セミナー開催!!(応募は終了しました)
後日、4years.サイトで採録記事を公開いたします。