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大東大女子サッカー、応援席にいた主将の一年

大東大女子サッカー、応援席にいた主将の一年
「楓昴」の象徴的な存在となった廣中(右から2人目)

大東文化大学女子サッカー部「楓昴(ふうすばる)」の魅力のひとつが、応援だ。試合のメンバー外になった選手全員が、90分間全力で大声援を送る。それが楓昴のスタイルだ。

昨シーズン、楓昴を象徴する選手がいた。主将の廣中千映(ちえ、4年、北海道大谷室蘭)。ロングフィードを持ち味としたDFだが、メンバーに入れずにいた。彼女は試合前にキャプテンマークを副将の日野李保 (4年、常葉学園橘)に託し、応援席からチームメイトたちの背中を押し続けた。

廣中の人間力で史上最強チームに

大東大はその前のシーズンのインカレで初戦敗退に終わった。そのリベンジを期して、昨シーズンの楓昴はスタートした。しかし、強い思いは空回りした。上級生と下級生の間に少しずつ距離ができた。いい結果を出せない焦りで、お互いの言葉が強くなってしまった。

チームを一つにしたい。廣中の思いは、高校時代のライバルでもあった日野と一致していた。後輩へ積極的に声をかけ、4年生同士で毎週ミーティングを開いた。試合に出られないのなら主将としてチームのためにできることをやる、という姿勢を貫いた。試合に出ている4年生たちは「千映は誰よりもチームのことを考えていて、だからこそ自分たちもチームのために勝たなきゃと思います」と口をそろえた。

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誰にも負けない応援でチームを引っ張った

4年生の最後の試合となったのは、関東女子リーグ2部入替トーナメント大会1回戦。栃木SCに1-3で負けたあと、応援に声をからした廣中は、日野と抱き合いながら涙を流していた。全身全霊でチームを引っ張ってきたふたりには、言葉などいらなかった。

「悔しいこともたくさんあったけど、この4年間を思い返してみると、本当にすべてが人生の財産だと思います。これが最後だと思うと、自然と涙が出てきました」

昨シーズンの楓昴はインカレでベスト16に入り、皇后杯にも出場。誰にも負けない応援でチームを引っ張った廣中のもと、チーム史上最高の成績をおさめた。川本竜史監督は「人間的な部分でチームを引っ張ってほしいという期待を持って、キャプテンになってもらいました。最後の最後まで立派なキャプテンでした」と、廣中をたたえた。

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最後の試合を終え、あいさつをする廣中

卒業後、廣中は地元に帰り、Jリーグ北海道コンサドーレ札幌のジュニアスクールでコーチを務める。未来のサッカー界を担う子どもたちに、チーム全員で戦うという「楓昴スピリット」を伝えていく。

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