悲願の男女同時Vへ はい上がる関大拳法部
日本拳法は関大が発祥の競技だ。勝利を宿命づけられた関大拳法部は、強さを誇ってきた。とくに女子は一昨年まで、西日本学生選手権大会で5連覇、全日本学生選手権大会で7連覇を達成してきた。
しかし、昨年の全日本でその牙城が崩された。決勝で立命館大に負けた。8年ぶりに王座から陥落した。新たに主将となった岡本敦美(3年、藤ノ花女子)は「1勝の重みを改めて感じました」と振り返る。
「練習ノート」で欠点補う
久々の敗北からチームが得たものは多い。プレッシャーに打ち勝つ精神力、勝ち続けるための技術など、足りないものが浮き彫りになった。西日本王座の牙城は崩されていないが、いまのままではいけない。
チームの欠点を補うために、岡本の提案で「練習ノート」が導入された。女子部員が毎日、練習内容や感じたことなどを書き記し、週に2回ほど最上級生が目を通す。岡本は「自分のためになるような、技術やモチベーションのルーツにしてほしいです」と願う。
男子は昨年、全日本で初戦敗退というまさかの結果に終わった。絶対的エースだった主将の上垣内一成(4年、大阪桐蔭)は抜けたが、昨年のレギュラーメンバーが多く残る。新主将に就任した高丸雅貴(3年、関大高等部)は「新チームは仲がよくて意見が言いやすいし、いままで以上にひとつの目標に向かって一致団結していけると思う」と語った。
チームだけでなく、個人でも目標を立てた。一人ひとりが目的を持って日々の練習に取り組むことによって、チーム力の底上げにもつながっていくからだ。「自分たちが引退したから終わりじゃなくて、その先の代も勝っていけるようなチームにしたいと思ってます」。岡本の言葉に力がこもった。
圧倒的に勝てる強いチームへ、そしてそれが長く続いていくように。常勝軍団の再建は、すでに始まっている。新チームの目指す場所は、これまでと変わらない。男女同時の全日本優勝だ。昨年の悔しさを胸に刻み、2019年こそは悲願を達成してみせる。