関西の意地、関大が逆転勝ち 東京ボウル
関西大学カイザースにとって、今シーズン最終戦となる東京ボウル。日本一への道は途絶えたが、来年以降の戦いにつなげるためにも、勝利を目指し、明治大との一戦に臨んだ。
第1Q、RB吉田圭汰(3年、桜宮)の好リターンから攻め込む。ゴール前3ydまで進むと、最後はWR藤原裕貴(4年、宝塚東)がQBの位置に入る「ワイルドキャット」フォーメーションから、藤原がボールをキープ。タックルを受けたあと、さらに足をかいてエンドゾーンに飛び込み、タッチダウン(TD)。関西学生リーグの終盤戦、いろんな起用法に結果で応えてきた藤原が、この日も突破口を開いた。キッカー三輪達也(4年、舞子)のトライフォーポイントも成功し、7点を先制する。
その直後に7-7と追いつかれるが、すぐにやり返す。QB入佐一輝(4年、関西大倉)からWR小田康平(3年、関大一)へのパスなどでリズムをつくる。TDには至らなかったものの、三輪がフィールドゴール(FG)を決めて勝ち越し。さらに三輪はもう一本FGを決め、13-7。第2Q9分すぎには入佐から小田へ9ydのTDパスが決まり、19-7とリードして折り返した。
狙い通りのツーポイント成功
前半とは打って変わり、後半は大苦戦。要所で入佐がQBサックを食らい、なかなか攻撃の糸口をつかめない。ディフェンス陣はDB浜島康太朗(3年、南山)のナイスタックルなどで応戦するも、二つのTDで19-20と勝ち越されてしまった。
嫌な流れを振り払ったのは、RB吉田だった。第4Q5分すぎ、ゴール前13ydからボールを託されると、相手のタックルを振り払ってTD。7点差にしておきたい関大は、ツーポイントコンバージョンを選択。入佐がTE松尾純平(4年、大阪市立)へバスケットボールのチェストパスの要領で投げ、27-20とした。
試合終了間際にゴール前11ydまで攻められたが、何とか守り切った。2018年シーズンの最後を白星で飾り、4回生の引退に花を添えられた。MVPには35回中25回のパスを決めた入佐、最優秀DL賞には永良優伍(4年、東洋大姫路)、最優秀OL賞には冨田優生(4年、大阪産大付)がそれぞれ選ばれた。
関西の意地を見せ、チーム全員で最後につかんだ白星。この勝利は今後のKAISERSにとって大きな財産となるに違いない。