失格から学び、競歩のユニバ代表に内定 明大1年・古賀友太
明治大の古賀友太(1年、大牟田)は、2月17日の日本選手権20km競歩ではゴール目前で失格してしまった。「反省だらけです。一から見直さないといけない」と、うつむきながら言った。リベンジをかけて挑んだ3月17日の全日本競歩能美(のみ)大会では、目標としていた“学生3位”をつかみ取り、後日、7月のユニバーシアード代表に内定した。レース後の古賀に声をかけると、喜びを隠しきれない様子だった。
「打倒東洋」を胸にしまい、学生3位を死守
けが明けだった2月の日本選手権には不安はあったが、「いけるところまでいこう」と考え、高橋英輝(えいき、富士通)の引っ張る先頭集団についていった。結果、歩型が崩れて警告を連発。自分の歩きができなくなった。今回はユニバーシアードの代表選考を兼ねていた大会だったため、トップ争いよりも、代表入りの目安となる学生3位以内を確実にとるレースを思い描いた。おそらく先頭集団には、東洋大2年生コンビの川野将虎(まさとら、御殿場南)と池田向希(こうき、浜松日体)が来る。古賀には「打倒東洋」の思いが常にあるが、今回に限っては東洋のふたりとの勝負は見送ると決めた。
レースが始まるとすぐに、東洋大コンビを含む先頭集団が形成された。松永大介(富士通)が飛び出すと先頭集団はさらに速いペースで突き進み、5km手前で松永が吸収されてからは鈴木雄介(富士通)が先頭集団を引っ張った。そんな中、古賀は第2集団の中で脚を貯めた。第2集団には順天堂大の村山裕太郎(2年、川西緑台)や山梨学院大の遠山航平(2年、倉敷翠松)らがいた。「タイムが近い選手が集団でいくだろうな」。そう考えていた通りの展開となり、古賀は学生3位が常に見えるところで勝負を続けた。集団は次第にばらけていき、最後は海外選手と競りながらゴールとなった。
関東インカレで勝負に出る
もちろん、「打倒東洋」の思いは変わらない。「東洋のふたりは1時間17分台で日本でもトップレベルです。今回は勝負は狙ってなかったんですけど、これからは関東インカレなどのトラックレースもあるので、そこでは勝負ができるような準備をしていきます」。古賀は力を込めて話した。
7月にイタリア・ナポリで開催されるユニバーシアードは、古賀にとって初めての世界大会だ。「世界競歩チーム選手権の団体で金メダルをとってますし、日本の競歩は世界的に見てもレベルが高いです。東洋のふたりの足を引っ張らないようにというか、胸を借りて、団体戦でも貢献できるように思い切っていきたいです」
能美での東洋大コンビは悪天候にも関わらず全体の2位と3位に入り、そろって日本学生記録を更新した。古賀は能美での戦いを振り返り、「自分ではまだ甘いなと思うところもあったんですけど、神戸(日本選手権)のときよりもフォームは修正できたところもありました」と前を向いた。まだ、力の差は感じている。まずは自分の歩きを確立し、格上のふたりに勝負を挑む。
古賀の堂々たる挑戦が始まる。