インカレ女王の筑波大、松蔭大に昨秋のリベンジ
昨年のインカレを制した筑波大女子は、主力がほとんど残った状態で今シーズンの開幕戦を迎えた。この日、スタメンのセッターには昨年のインカレでセッター賞を獲得した万代真奈美(3年、就実)ではなく、主将の横田実穂(4年、東九州龍谷)を起用。中西康己監督は「新4年がチームを引っ張らなければならない。どれだけ存在感を示せるか」と期待して試合に臨んだ。
縦横無尽に強烈なアタック
第1日の対戦相手は強豪の松蔭大。松蔭大とは昨秋のリーグ第2日で対戦し、ストレート負けを喫した。あの完敗が昨秋の不調の一因ともなっただけに、筑波大がこの日どう立ち向かうかが注目された。
第1セット、筑波大には序盤から勢いがあった。開始早々の7連続得点。圧倒的な攻撃力を発揮した。「きょうは調子がよかった」と話した山城愛心(3年、東九州龍谷)が軸となり、大差をつけた。25-12でこのセットを先取。「強打だけでなく、チャンスボールをしっかり決めるというチームのコンセプト通りに攻められました」と、山城は振り返る。
第2セット、筑波大は第1セットと同様に序盤からリードしたが、徐々に松蔭大に対応され、互角の展開に。その中で横田を中心に攻撃を組み立て、川上雛菜(3年、敬愛学園)や高橋茉莉菜(3年、米沢中央)、山城らが強烈なアタックでポイントを積み重ねた。迎えた筑波大のマッチポイント、筑波大は松蔭大の守備にはまって足踏みしたが、最後は粘って決めきり、25-20でセットを奪った。
第3セット、これまでの流れとは異なり、松蔭大が先手を奪う。だが連続ポイントを許さず、筑波大が再び主導権を握った。その後も着実に得点を積み重ね、終盤には万代の投入で攻撃の勢いが加速。25-19で奪い、ストレート勝ちした。中西監督は「第2、第3セットは拾われて相手のペースになりかけましたけど、ミスなくしっかり戦えました」と笑った。
松蔭大とは昨秋のリーグ第2日で対戦し、ストレート負け。昨秋の不調の一因ともなっただけに、今回の勝利には大きな意味がありそうだ。
好スタートにも、チームは油断せず準備を続けている。山城は「一つ学年が上がって、責任感が増しました。きょうは攻守に安定していたので、この調子を保ちたいです」と前を見た。横田は「いいスタートを切れました。今年も日本一へ」と力強く語った。
2年連続の日本一への道のりは、まだ始まったばかりだ。