白熱の早慶レガッタ、早稲田が1秒差で対校エイト3連覇
3750mの激闘は、わずか1秒37差での決着となった。
第88回早慶レガッタが4月14日にあり、メインレースの「対校エイト」は早稲田大が慶應義塾大の猛追を退け、3連覇を達成した。ゴールラインから桜橋へ戻ってくる選手たちに向かって、応援部が「紺碧の空」を歌い上げた。選手たちはボートの上から誇らしげに手を振り、祝福に応えていた。
残り750mで並ばれ、デットヒート
対校エイトは気温17℃で曇り、風はわずか、波はやや高いというコンディションでスタートした。早稲田がスタートダッシュを決め、慶應は追う展開に。波が高いためか、両校のボートは何度も接近。難しい舵取りの中、早稲田が常に1秒から2秒の差をつけて終盤に入った。
早稲田は残り900mとなる東武線鉄橋付近でアタックを仕掛けたが、慶應がしっかり追走。残り750mの言問橋に入る直前、今度は慶應が仕掛け、両艇が並んで言問橋を通過した。言問橋からは両校ともフルパワー。もつれ合うように桜橋を通過してゴールラインへ。カンバス差(1~2m)の勝負をものにしたのは早稲田だった。2分の1カンバス差で早稲田が勝った1998年に次ぐ接戦をものにした。
早稲田の藤井拓弥主将がレースを振り返った。
「本当に接戦でした。『やった!! 』という印象はなく、最後の最後まで粘って勝ちを拾ったという感じです。力の差はなかったと思います。クルーだけでなく、チーム全体として早慶戦や日本一に取り組んできたことが、きょうは形になりました。だから、荒れた川のコンディションや大勢の観客の前で漕ぐというなかなか平常心でいられない状況でも、普段通りの自分たちを出すことができたのだと思います」
女子対校は早稲田が30年連続勝利、第2エイトは慶應が6挺身差をつけて3年ぶりに勝利を収めた。対校エイトの通算成績は早稲田の47勝40敗1分となった。(高橋憲治)