陸上・駅伝

東海大・鬼塚翔太、大迫傑に気づかされた甘さ

鬼塚(先頭)はラスト1周でギアを切り替えた

第53回織田幹雄記念国際 男子グランプリ5000m

4月27日@エディオンスタジアム広島
8位 鬼塚翔太(東海大4年) 14分8秒71

昨シーズンの5000mの記録が13分43秒54の鬼塚翔太(東海大4年、大牟田)は、6月の日本選手権(福岡)と7月のユニバーシアード(イタリア・ナポリ)の切符をつかむため、13分43秒切りを最低限の目標にしていた。結果は14分8秒71で8位。レース後は「自分の走りができませんでした」と、言葉少なだった。

できなかった攻める走り

26人が出場した男子グランプリ5000mの中で、鬼塚は唯一の学生だった。記録を狙うためにも、前半から攻める走りを思い描いていた。しかし12分台の自己ベストを持つリチャード・キムニャン(日立物流)が引っ張るハイペース。鬼塚は後方から追い上げる展開となった。

レースは常に橋詰(左)と競る展開となった

レース中、橋詰大慧(青山学院大~SGホールディングス)と競った。「年齢的に一番近い選手だったので、負けたくないという気持ちはありました」と鬼塚が語るように、何度も抜きつ抜かれつを繰り返した。ラスト1周になったところで鬼塚が前に出ると、最後は廣瀬岳(関東学院大~武田製薬)にも競り勝ってゴール。「状態は悪くなかったんですけど、前半から動かなかったです。自分としてはもうちょっと前で勝負したかった」と反省する一方で、「最後に出し切って終われたのは次にはつながるかな」と前を向いた。

ラストイヤーは5000にかける

今年2月の日本選手権クロスカントリーのとき、鬼塚は学生ラストイヤーは5000mに照準を定めて走ると話していた。1月末から約3週間、マラソン日本記録保持者の大迫傑(すぐる、ナイキ)らと、アメリカ・アリゾナ州での高地合宿を敢行。2月のクロスカントリーのあとも、アリゾナで練習を重ねた。一番の成果は、大迫に比べて意識や取り組み方に甘さがあると気づけた点だという。

照準を合わせて挑んだレースだっただけに、悔しさが残った

合宿中も織田記念をターゲットにやってきた。「それでこの結果だったので、何かを変えていく必要があると思います」と鬼塚。ただ、シーズンは始まったばかりだ。「まだこれからレースが続くので、疲労を抜いて楽に走れるように調整し直します」と言うと、鬼塚はトラックをあとにした。

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