バレー

関大、春季リーグ初の連敗で2連覇を逃す

龍谷大に負けた直後、うつむきながら整列しにいく選手たち

関西大学リーグ女子1部

第9日 5月11日@龍谷大
関大(7勝2敗)1-3龍谷大(6勝3敗)

第10日 5月12日@龍谷大
関大(7勝3敗)1-3神戸親和女子大(9勝1敗)

7勝1敗で迎えた第9、10日。関西大は3位につけていたが、1位の神戸親和女子大と2位の京都橘大とは勝敗が同じで、セット率での争い。関大は逆転優勝に向け、残り3戦で上位校から勝ち星を挙げたい。しかし両日ともに負け、春連覇の道は途絶えた。

ホームの龍谷大相手に波に乗れず

5月11日の相手は昨秋のリーグ王者、龍谷大。リーグ戦前半で奮わず、巻き返しに燃える龍大は、ホームで引き締まったプレーを見せた。関大は波に乗れなかった。

立ち上がり、江口夏鈴(3年、西日本短大附)のライトからの強打や、小林瑞季(2年、泉北)のインナーを攻めるスパイクで4連続得点。このままリズムをつかみたかったが、相手のナイスサーブにキャッチが乱れる。10-9と追い上げられた大事な局面で、コンビミスやお見合いなど関大らしくないミスが続いた。連続失点で逆転を許し、 19-25でセットを落とした。

過去8試合で第1セットを落としたのは2戦だけ。関大にとって唯一の黒星となった帝塚山大戦が、そのうちの一つだ。1セット目の内容がよくなかっただけに、メンバーは不安を隠せない。しかしポジションもメンバーも変えて臨んだ2セット目、高山梨夏子(3年、関大一)の得点を皮切りに、関大に勢いが戻る。升谷未来(1年、金蘭会)がライトから決めると、小林瑞季がサービスエース。リベロの山本愛梨沙(4年、大阪国際滝井)が難しいコースのスパイクを拾い続け、的確なジャッジ。連続得点を伸ばすと、さらに升谷が覚醒する。次々とスパイクを決め、10-4とリードした。

しかし、そこからじりじりと迫られ、ついに17-18と逆転される。ここで粘ったのは3年生のスパイカー陣だった。石田成実(金蘭会)がブロックを突き破るスパイクで同点にし、高山のクイックが続く。そして原幸歩(誠英)のブロックポイントと強烈なスパイクでマッチポイント。最後は升谷が速攻を決め、26-24で第2セットをものにした。

追いつ追われつとなった第3セットは23-25で落とし、関大はあとがなくなった。さらに第4セットでは出だしに失点が続き、19-25で落とした。今シーズン2敗目を喫した。

試合後、主将の川西花菜子(4年、四天王寺)は「自分たちのやりたいことに対して、向こうが対策してて、うまくできない状態でした」と話した。関大の攻撃の中心である石田や原には常時ブロックがつき、関大の守りの弱点を徹底的につかれた。課題を抱えたまま、翌12日の神戸親和女子大戦を迎えた。

4年生の固い守備で粘るも届かず

主将の川西が「いま最も完成度の高いチーム」として挙げていたのが親和女大だった。

前日の敗北から切り替え、手をつないで整列し親和女大戦に臨む

関大は立ち上がりに3連続得点され、リズムをつかみ損ねた。しかし原が強烈なスパイクを決める。高山も続き、親和女大に食らいつく。原は後衛に回ってもバックアタックを要求。積極的なプレーは親和女大にも引けをとらなかったが、その後は巻き返され、20-25で第1セットを落とした。

次のセットこそ、とりにいく。その強い気持ちはプレーに表れた。石田と原のサービスエースが出た一方、相手はサーブミス。序盤で流れをつかんだ。挽回を図る親和女大の攻撃に対し、リベロの山本を中心に関大のつなぎが力を発揮した。山本がワンハンドで相手の強打をレシーブ。ネット際ではセッター川西が踏ん張った。升谷がセンターから両方向に打ち分けて点をとると、相手は早くも2回目のタイムアウト。ここから関大は親和女大の粘りに苦しむ。今日一番の長いラリーを制したのは相手だった。すかさず関大がタイムをとる。小林瑞季のスパイク、原のバックアタックで再びリズムをつくると、最後は高山が速攻で押し込み、25-17で第2セットをつかんだ。

親和女大のマッチポイントからスパイクを決めた原(右下の4番)がガッツポーズ

第3セットは相手の攻めの緩急に苦しんだ。しかし山本や川西、ピンチサーバーで毎セット登場する近藤初帆(4年、金蘭会)ら最上級生たちの固い守りでなんとか粘った。それに応えるようにスパイカー陣も力を出したが、22-25と及ばなかった。

続く第4セットは石田、高山、小林瑞季のスパイクがことごとくアウト。出だしでつまずいたまま点差を詰められず、相手のマッチポイント。「まだいける!! 」とコートに向けた声が飛び交い、原が強気で2ポイントを奪ったが、届かず。20-25で落とし、リーグ初の連敗となった。「4セット目の出だしもそうだけど、全部自分たちのスパイクミスだった」と、山本は悔しさを隠せなかった。

第4セットで相手がマッチポイントになっても、最後の1点まで諦めずに戦った

次週はいよいよ最終節。このチームも、リーグを通して次第に自分たちのバレーを確立してきた。春季リーグ2連覇には届かなかったものの、いまの最高をプレーに出す。今年のスローガン「Link」を関大のつなぎで体現し、最後は笑って終わりたい。

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