バスケ日本女子学生選抜が李相佰盃で全勝V、光った対応力とスピード
日本女子学生選抜は第1戦で68-64、第2戦で94-57と勝利し、優勝を確定させていた。最終戦でもその勢いはゆるまず、むしろ増した。3戦全勝で優勝に花を添えた。
3地区の混成メンバー、声を出して一つに
試合開始直後から強烈なオールコートディフェンスを仕掛ける。韓国のミスを着実に得点に結びつけ、つけ入るスキを見せなかった。木下佳子ヘッドコーチ(HC)のメンバー選考基準は「個の決定力と突破力にすぐれ、泥臭くタフに戦える選手」だった。エントリーされた12人全員が、木下HCの思惑どおりに躍動した。
選抜メンバーがそろって練習をしたのは大会前日だけ。関東のメンバーだけの男子とは違い、女子は関東、東海、関西のメンバーで構成されているため、お互いのプレーの特徴や人柄を完全には把握できないまま、大会に突入せざるを得なかった。
第1戦はインサイドの柱となる佐坂樹(白鷗大4年、山村学園)を欠いたことも影響し、前半は韓国にリードを許した。しかし後半は吉田舞衣(拓殖大3年、八雲学園)らの活躍もあり、逆転勝利。主将を務めた軸丸ひかる(白鷗大4年、聖カタリナ女子)は「初戦はお互いのことがよく分からなくて、チームの一体感があまりありませんでした。そういうときこそ声を出して盛り上げることが大切だと思ったので、みんなにそれを徹底できるようにと伝えました」と振り返った。
パワーで負けても機動力で優位に
木下HCは、選手たちが今大会で得たものについて、こう説明する。
「国際大会で大切なのは、対応力とそのスピード。今回のメンバーは、複数のポジションでプレーした選手がほとんどです。ディフェンスもオフェンスも対応しなければならないことが2倍になるにも関わらず、それぞれがしっかりと対応力を発揮してました。この経験が、今後プレーしていく上での助けになってくれればと思います」
第2戦からの合流となった佐坂は、韓国の長身センター陣やハードなディフェンスに最初は戸惑った。それでも「パワーで勝てない分、動き回ってボールを持たせないようにしつつ、フィジカルでもやり返すくらいの気持ちをもって対応できました」と、手ごたえを得ていた。