関東インカレ1部10000mの日本勢トップは伏兵、法政大4年の佐藤敏也
関東インカレの初日、注目を集めたレースの結果は意外なものだった。法政大4年の佐藤敏也が外国人留学生と競り合い、日本勢トップの3位に食い込んだ。佐藤自身が第一声、「3位なんて、まさかです」と漏らすほどの大躍進だ。
あれよあれよと最前線へ
レースを引っ張る外国人留学生に最初から付いていったのは東海大の鬼塚翔太と塩澤稀夕。佐藤は後ろの集団で脚をためていた。6800m付近で東海大コンビが引き離された。代わりに浮上していったのが佐藤だ。7000m付近から佐藤が相模原ギオンスタジアムの主人公になった。留学生たちに振り落とされるどころか、トップをもうかがう勢いだった。最後の最後、さすがに力尽き、3位でゴールした。
4年間で地力がついた
日本勢1位・佐藤敏也の話
「いやもう、3位がとれるなんてまったく思ってなかったので。留学生もいるし日本人でも強い選手がたくさんいたので、入賞に絡めればいいかなと思ってたんですけど、まあ、まさかの。自分でもほんとに驚いてます。留学生に食らいつけたのは、地力がついたからだと思います。大学の4年間で地力がついたと思います。ほんとにこれまでにないぐらい、今シーズンはいい練習が積めてました。立川ハーフでユニバーシアード代表を逃して、兵庫リレーカーニバルでもユニバを逃して。逃したんですけど、練習はしっかりできてたんで。負けても下を向くことなく自分を信じて練習してきたんで、その成果がこうやって実ってよかったです」
強気で粘れた
日本勢2位・荻久保寛也の話
「箱根駅伝の前にけがをしてしまって、3月20日ぐらいから復帰しました。その後急ピッチで調整して、(4月21日の)兵庫リレーカーニバル、(5月4日の)ゴールデンゲームズのべおかと連続で出たら、先週胃炎になってしまって……。今回はちょっと出るかどうか悩んだぐらいでした。走ってみたら意外と足も動いて、強気のレースで粘れました。トップも狙えたんですけど、途中で一人になってキツくなってしまったので、少し悔しいです。次は日曜日の5000mに出ます。明日、鍼の治療を予約しているので、なるべく疲れをとって5000も頑張りたいです」
仲間に結果で示せた
日本勢3位・太田智樹の話
「8000mまでは自分の走りができましたけど、先頭集団から離れてしまったので、まだまだ課題があると思ってます。春先に比べればチームの雰囲気は上向いてきましたけど、このチームには結果という部分が足りてませんでした。主将だからとか柱とか考えると自分の中でプレッシャーになってしまうので、まずはいつも通りを心がけて自分の走りをしました。自分の走りで示しがついたのはプラスだったと思うし、自信になりました。10000mで自己ベスト更新と入賞が果たせたことはしっかりプラスにとらえて、次の5000mでもっといい走りができたらいいなと思ってます」
(篠原大輔、藤井みさ、松永早弥香)