アメフト

アメフト関関戦、関学が急造QBのロングパスで制す

ロングパスでアピールした関学のQB山中

第42回関関戦 前哨戦

5月26日@神戸・王子スタジアム

関西学院大 26-8 関西大

関西学院大学と関西大学の体育会各部が戦う「総合関関戦」は6月に4日間にわたって本戦がある。この日は「前哨戦」の一つとして、アメフト部が対戦。昨秋の関西学生リーグ1部での対戦では引き分けたが、この日は昨年の学生王者である関学が26-8で勝った。

大型QB山中、パスで181yd、2TD

この春を通じて関学のテーマは選手層を厚くすること。この日もエースQBの奥野耕世(3年、関西学院)はメンバー外。先発QBは1週間前までWRに専念していた山中勇輝(2年、関西学院)だった。高校時代はQBだったが、大学ではWRに転向していた。身長179cmと大きな山中が大学で初めてQBを務める試合でどんなパフォーマンスを見せるのか注目された。

関学は第1クオーター(Q)、この日2度目のオフェンスシリーズをものにした。自陣30ydからランで攻め、攻撃権を更新。次はパスに出て、投げられないと判断した山中がスクランブル。スピードに乗って左サイドを駆け、21ydをゲイン。高校時代に「走れるQB」と呼ばれていた力を発揮した。そこから4プレーはランを続け、最後は第2Q最初のプレーで、ランプレーの動きから、山中がパス。これがエンドゾーンへ走り込んだWR阿部拓朗(4年、池田)へ決まり、先制のタッチダウン(TD)。7-0とした。次のシリーズでも山中が26ydのパスを通し、攻め込む。キッカー安藤亘祐(4年、関西学院)のフィールドゴール(FG)成功につなげ、10-0となった。

9回のランで65ydを進んだ関学のRB三宅昂輝

ルーキー糸川へのロングパスも決めた

その次のオフェンスシリーズも山中のパスがさえた。自陣45ydからランで7yd進み、敵陣48ydからの第2ダウン3yd。パスだ。ルーキーのWR糸川幹人(箕面自由学園)が右サイドでマークを外し、中央奥へと駆けていく。糸川に向かって山中が右腕を振り抜く。フリーになった糸川が「人生で一番集中して、大事に捕りにいきました」という柔らかいキャッチで応え、そのままエンドゾーンへ駆け込んだ。第2Q9分すぎ、王子スタジアムを沸かせる48ydのTDパスが決まった。これで17-0。さらに安藤のFGで20-0として試合を折り返した。
後半の途中から山中は退き、後半の関学は二つのFGで6点を加えたのみ。ディフェンス陣が関大のパスを防げず、第4Q5分すぎにタッチダウンを奪われた。しかしその後はDB北川太陽(2年、佼成学園)の二つのインターセプトもあり、関学が26-8で勝った。
関学のQB山中は15回パスを投げ、7回決めて181ydをゲイン。二つのTDを挙げた。

4回生は下のもんに教えとかなあかん

関学・鳥内秀晃監督の話

「こんなもんや。QBの山中は5日ぐらいしか練習してへんけど、意外といけるんちゃうか?可能性が出てきたと思うわ。奥野が出られへんかったら負けるんでは、ほかのポジションの選手らがかわいそうやからな。奥野があかんでも勝てるようにしとかんと。レシーバーの糸川は、あれぐらいやれるんは分かってる。それでもロングパス捕る前に落としてるのもあるからな。阿部も。その辺の確実性を上げていかなあかんわ。これで春はJVも含めて4試合終わったんか。誰が出ても同じ失敗をせんようにせえ、って言うてある。だいぶ減ってきたけど、やっぱりまだパスは通されてるしな。秋は去年までよりタイトな日程になるんやから。まだまだ真剣さが足らんわ。4回生は誰がゲームに出てもええように、下のもんに教育せんと。教えたらなあかん。自分らだけでは勝たれへんねん。下にも教えとかな。このチームの4回生やったら、それが当たり前や。次は(6月9日に)社会人のエレコム神戸とやるけど、いまの力を見るだけや。いろんなプレーを準備する時間もないしな」

今シーズン後の退任を表明している鳥内監督

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