アメフト

富士通アメフトの新人・松井理己、歩き始めた4years.の続き

社会人初タッチダウンを決めた松井(左)

社会人Xリーグ パールボウルトーナメント1次リーグ

5月18日@富士通スタジアム川崎
富士通(2勝) 34-7 東京ガス(1勝1敗)

アメリカンフットボールの春の社会人王者を決めるパールボウルトーナメントは、6月2日の準決勝へ進む4チームが決まった。富士通はAブロック1位で準決勝に臨む。5月18日の東京ガス戦では、新人のWR(ワイドレシーバー)松井理己(りき、関西学院大)がチームが選ぶこの試合のMVPになった。

久々のタッチダウンに笑顔

富士通はこの日、オフェンスの最初の3シリーズで攻めきれず、二つのFG(フィールドゴール)による6得点にとどまっていた。すっきりしない雰囲気の中、4度目のオフェンスではフィールドを広く使い、ゴール前2ydまで迫った。ここでパス。エンドゾーン内の左サイドでフリーになったルーキーのWR松井へ、QBマイケル・バードソンから鋭いボールが送られる。松井はこれを丁寧に腕に収め、タッチダウン(TD)。第2クオーター10分だった。社会人初TDを先輩たちに祝福してもらい、ヘルメットの下から松井の人なつっこい笑顔がのぞいた。この日は4回のキャッチを決め、キッキングゲームでも登場した。

キレのある動きも戻ってきた(左が松井)

今年1月3日のライスボウル以来で松井に話しかけると、「まだ研修が忙しくてしっかり練習もできてないし、ちょっと恥ずかしかったです」と、チームのゲームMVPになったのを照れた。それでも、社会人初のTDは格別だった。「去年、一つもTDできなかったんで……。久々にとれたのは、ほんとにうれしかったです」

笑って終われなかった関学でのラストイヤー

関学でのラストイヤーは、松井にとってほろ苦いものになった。

3回生の12月の甲子園ボウルで早々に大けがを負い、負傷退場。エースレシーバーを欠いたチームは日大に負けた。松井が戦列に復帰できたのは秋のリーグ5戦目の京大戦からだった。しかし、3回生までのようにスピードに乗ってプレーできず、キレのある動きもできない。前年まで何度も試合の流れを変えるキャッチを決めてきた男は、理想と現実の差に悩んだ。本領を発揮できないまま、ライスボウルで入社予定の富士通に負け、学生生活を終えた。

試合後、スタンドのお客さんに目をやる

だからこそ、松井は社会人でのフットボールにかけている。

「このチームはレシーバーの選手が多い。その中で自分の役割を果たしたいです。練習から責任を背負って、1プレーずつやりたい。ブロックでもキャッチでも、オールマイティーなレシーバーになりたいと思ってます」

それぞれの4years.には、続きがある。
松井理己はここから、心にぽっかり開いた1年分の穴を埋めにいく。

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