東海大2年の八村阿蓮、偉大な兄の背中を追って成長中
韓国と日本の学生選抜が対戦する親善試合、第42回李相佰盃日韓学生バスケットボール競技大会が5月17~19日に名古屋市体育館で開かれ、日本男子学生選抜は1勝2敗で負け越した。東海大の2年生で全3試合に先発した八村阿蓮(明成)は「悔しいですけど、この経験を生かしたい。国際試合でも通用するようなプレーがしたいです」と、さらなる成長を誓った。
高3から10kg増の一方、ジャンプ力もついた
八村は、アメリカ・プロバスケットボール協会(NBA)のドラフト会議で上位指名候補とされるゴンザガ大学の八村塁(21)を兄に持つ。ポジションはバスケ界で「4番」と呼ばれるパワーフォワード(PF)で、リバウンドや、攻めているときに「壁」となって味方選手の動きを助けるプレーが光る。
1年生だった昨シーズンは東海大のインカレ優勝に貢献して、大会優秀選手にも選ばれた。身長は高3から2cm伸びて198cmに。トレーニングに力を入れた結果、体重は88kgから98kgへと大幅に増えた。「それでもジャンプ力がついて、ダンクシュートが余裕でできるようになりました」と、八村は自分のさまざまな成長を実感している。
李相佰盃を終えて、八村は言った。「韓国はインサイドが強かった」。日本男子学生選抜の比嘉靖ヘッドコーチは「身長2mを超えて体重もある選手に押し込まれることが多かったですね。それは日本の大学生相手では経験できない」と、悔しかった経験をレベルアップにつなげてほしいと期待を寄せた。
兄と一緒に日本代表でプレーする夢
生まれ育った富山県から、兄と同じ宮城県の明成高校に進んだ。高校日本一を競う年末のウィンターカップで、兄が3連覇を果たして卒業した翌年に、2年生で1回戦敗退。3年生となって優勝を取り戻したときには「塁にやっと一歩近づいた」と言った。
兄については「向こうで頑張っているので、僕もいい刺激をもらってます」と語る。将来はBリーグ入りを目指しており、日本代表で兄と一緒にプレーする夢もある。兄はNBA挑戦を表明。アメリカのメディアは6月20日のドラフトで1巡目指名されると予想している。日本代表でもワールドカップの出場権獲得に貢献し、存在感は増すばかりだ。
偉大な兄を追って、弟も大きくなっていく。