李相佰盃で韓国に敗れた日本男子学生選抜、悔しさと誇りを胸に
1勝1敗で迎えた第3戦、日本男子選抜は韓国男子学生選抜に5点差で敗れた。通算成績1勝2敗で準優勝となった。
韓国の気迫のディフェンスに負けた
優勝をかけた最終戦で、まず主導権を握ったのは日本だった。選手たちは第2戦に負けたあとにミーティングを開き、敗因の一つが消極的なオフェンスにあったと認識。ゴール方向の縦でなく横へのパスが多かった反省から、この日は笹倉怜寿(れいじゅ、東海大4年、東海大三)が平岩玄(東海大4年、土浦日本大)、八村阿蓮(東海大2年、明成)らインサイド陣にボールを送り、前田怜緒(れお、白鴎大4年、東北)や小酒部泰暉(おさかべ・たいき、神奈川大3年、山北)らアウトサイド陣もドリブルで切り込んで、流れをつくった。
日本は第2クオーター(Q)以降も集中力の高いバスケを展開し、第3Q終了時点で64-55とリードしていた。しかし落とし穴は第4Qに待っていた。残り4分半で韓国に1点差まで詰め寄られ、タイムアウト直後のターンオーバーで逆転される。日本も平岩の連続得点で再逆転に成功したが、またリードを許し、韓国の気迫のディフェンスに攻め手を見つけられないままタイムアップ。第4Qの日本の得点は7にとどまった。
平岩は第4Qの拙攻について「韓国のディフェンスに対して慎重になってしまったことで、第3Qに機能した『プレスディフェンスから走って得点する』というプレーが出せませんでした」と分析。「とくに1点差にされたあたりの時間帯で、攻守ともにソフトになってしまった。韓国は勝負どころにピークを持っていくのがうまかったです」と振り返った。
代表に無縁だった小酒部らの躍動
今大会の選考合宿中に、主力となるはず選手のうち数人がけがで離脱したのは残念だった。しかし、笹倉、小酒部、前田といった、これまで代表に無縁だった選手たちが、国際大会で落ち着いて持ち味を発揮できたのは大きな収穫と言えるだろう。
高校時代まで国際大会はおろか、全国大会にも出たことのない小酒部は、3試合を通してチームのトップスコアラーとして活躍。1戦ごとにより厳しいマークを受けたが、第3戦では伸びやかなジャンプから2本のダンクシュートを沈め、会場をどよめかせた。「緊張せず、自分ができることを普通にやろうと思ってました」と、初の国際大会にも気負いのない様子に大物の片鱗を感じさせた。
「負けたことは残念ですけど、相手にやられてもそのまま引き下がらず、何度も自分たちの流れに持ち込めました。毎年のように国際大会で課題になってきたことを克服できたのは、日本の大学バスケにとって収穫だと思います」。平岩は最終戦をこう総括した。選手たちはそれぞれのチームに戻り、秋のリーグ戦に向けての準備に入る。