大学陸上・駅伝

特集:第98回関東学生陸上競技対校選手権

関東インカレ3000m障害 東海大・阪口V、法大・青木3連覇ならず

「1」を掲げてゴールする阪口と、悔しそうな表情の青木(撮影・藤井みさ)

第98回関東学生陸上競技対校選手権 男子1部3000m障害 決勝

5月26日@相模原ギオンスタジアム
優勝 阪口竜平(東海大4年) 8分44秒29
2位 青木涼真(法政大4年) 8分44秒56

陸上の関東インカレ最終日の5月26日、男子1部3000m障害の決勝があった。東海大学4年の阪口竜平(洛南)が初優勝を果たし、法政大学4年の青木涼真(春日部)は0秒27差の2位となり、3連覇を逃した。

レースを支配した阪口の勝利

レースは序盤から阪口が先頭となり、集団を引っ張る形に。最初の1000mは3分を超すスローペース。次の1000mは2分58秒と徐々にペースが上がり、集団が縦長になっていく。ラストの直線で阪口と青木のデッドヒートとなり、阪口が競り勝った。

阪口はこの日、常に先頭でレースをすすめた(撮影・藤井みさ)

この種目で日本選手権とユニバーシアードへの出場を決めている阪口だが、意外なことに関東インカレは初優勝だった。「ラスト1周になったところでいけると思いました」と阪口。「青木くんや小室くんという強い選手たちが僕をマークしてくるのは分かってたので、初めからガンガンいって付かれてしまうと、相手の思うつぼ。最初の1000mはゆっくり入って、2000mまで引っ張る展開になって、残り1000mになったときに『ヨーイドン』すれば、負ける気はしなかったです」。レースプラン通りの展開だった。

プレッシャーがある方が走れる

両角速監督からは、「ユニバーシアードの予選のつもりで走れ」と言われていた。「ユニバーシアードに選んでもらってる限り、日本の大学生には負けられない、ここで負けてたら、選んでくれた方にも申し訳ないと思って走りました。阪口を選んでよかったと思ってほしくて」。ほかの選手からのマークもあり、プレッシャーのかかるレースだったが、「自分にプレッシャーをかけた方が走れる」と言いきった。

有言実行の優勝は自信にもなった

最後の関東インカレというのも大きかった。「最後だから絶対に優勝しないといけないという気持ちで走りました。ここで優勝する、と決めたレースで優勝できたのは自信になります。応援してくれるみんなも期待してて、応援に後押しされたところもありました。のどが枯れるまで応援してくれる選手がたくさんいて、彼らのためにも勝ててよかったと思います」。5月19日のセイコーゴールデングランプリ大阪は最下位と、苦しいレースだった。その1週間後、仲間を思いながらのレースで、本来の軽やかな走りを取り戻した。

「練習の甘さが出た」と青木

3連覇を狙った青木は前日の予選を組の1位で通過し、「このまましっかりとエースとして勝ちきりたい」と語っていた。決勝では阪口にぴったりとつき、ラストの直線で競り合ったが、一歩及ばなかった。

ラストの直線では、青木が阪口に追いつくかと思われた

「中盤ぐらいまでは周りの展開に乗っかって乱してやろうと思ったんですけど、暑さもあって、少し弱気になってしまいました。途中で阪口くんがラスト勝負に持ち込もうとしてるのは感じ取ったんですけど、前に出る勇気がなくて……。練習の甘さがこの結果につながってしまいました。彼のほうが走力もレースプランも、一枚上手だったのかなと思います」。残念そうに話した青木。「どういう状態でも勝つのを目標にしてたので、終わってみれば2位という結果で悔しいです」

自分の勝ち負けより後輩のことが気になった

青木はゴール後、すぐに後ろを振り返り、法大の後輩に「来い!!」という仕草をしていた。そのことについて聞いてみると「今回は三人で決勝、三人で入賞を目指してました。1、2年生のときに彼らが苦労していたのを見ていたので、僕らが大学にいるうちに花開いてきてくれたのが、すごくうれしいです。自分の勝ち負けより先に、後輩のことが気になっちゃいました」。4年生らしい気遣いだった。目標通り、田辺佑典(3年、伊賀白凰)が4位、人見昂誠(3年、佐野日大)が5位と三人とも入賞を果たした。
法政はチームとして、しっかりといい流れができていると感じさせられた。

健闘をたたえあう(左から)田辺、青木、人見。チーム力の高さを証明した

次は日本選手権でトップ選手に挑む

阪口も青木も、次は6月末の日本選手権に出る予定だ。阪口はこの種目で来年の東京オリンピック出場を目指すと明言していて、目標は「(第一人者である)塩尻さん(和也、順天堂大学~富士通)に勝って日本トップになること」と語る。青木は「あわよくば表彰台を狙いたい」。日本トップレベルの選手が集まる3障で、二人はどんな走りを見せてくれるだろうか。