駒大のスーパールーキー田澤廉、「絶対に負けない」プライドが支え
スーパールーキーが早くも本領を発揮した。5月26日の関東インカレ男子2部5000mで、駒澤大の1年生、田澤廉(青森山田)が14分10秒83で7位。浦野雄平(國學院大4年、富山商)に次ぐ日本勢の2番目でゴールした。
浦野に届かなかった4秒の意味
田澤はこの春入学したばかりの1年生ながら、5000mの自己ベストは高校2年生のときにマークした13分53秒61。同世代でただひとりの13分台で、駒大のチーム内でも小島海斗(3年、市立船橋)に次ぐ2番目だ。レースは序盤、大集団から外国人留学生5人が抜け出し、そこに浦野がついていった。そのうしろ、少し離れた第2集団に田澤はいた。浦野が留学生に離されて単独走になると、田澤はラジニ・レメティキ(拓殖大1年、ケニア)と二人で浦野を追う。浦野には届かなかったが、最終的に田澤はレメティキに先着した。
今回、この種目には多くの1年生がエントリーしていた。田澤は「同学年には絶対に負けられない」と思っていた。大八木監督からも「ほかの1年生には負けるな。日本人トップも狙ってほしい」と、ハッパをかけられていた。ラスト600mからスピードを切り替えれば日本勢トップになれる可能性があると踏んでいた。「浦野さんが落ちてくるのは分かってたんですけど、ラストをしっかり上げて日本人トップをとるってことを、自分の中で割り切れてなかったです。スピード、スタミナ、メンタルがまだ(浦野さんに)負けてると思うんで。まだそこは弱さだと思います」。浦野との約4秒のタイム差を、こう分析した。
4年間ずっと三大駅伝にエースとして出る
この日、会場の気温は30度を超えていた。青森からやってきた田澤は、関東の暑さに驚いた。人が多くて戸惑うことも多いが、徐々に環境にも慣れてきた。駒大の環境について問われると「どこの大学よりもいいと言いきれますね」とキッパリ。寮からグラウンドが近く、食事もおいしい。プライベートで遊びに行くときも、駅から近い。大八木監督については「もっと怖いと思っていました(笑)。体調や足の状態についてしっかり意見を聞いてくれて、優しくアドバイスしてくれます」。新生活のスタートは上々のようだ。
今後の目標について尋ねられると、スラスラと語った。「1年生のうちに5000m13分45秒、10000m29分を切ること、4年間ずっと三大駅伝にエースとして出場すること。そして自分がいる4年間のうちに優勝することです。今年は区間3位以内をとって、来年あたりから区間賞も狙っていければと思います」
ここは誰にも負けないというところは? と問われれ、「プライドです」と言いきった。「スピードとかスタミナは自分より上の人がいると思うんですけど、プライドは負けません。同学年には絶対負けないっていうプライドです」
イキのいいルーキーがいたものだ。田澤廉の4years.から目が離せない。