大学野球

北本一樹は明治の絶好調男、重圧から解き放たれて爆発 全日本大学野球選手権

北本は今大会8打数5安打6打点と大当たり(写真はすべて撮影・佐伯航平)

全日本選手権で38年ぶりの優勝を目指す明治大学(東京六大学)は、危なげなく6月15日の準決勝に勝ち上がった。“猪突猛進”のチームスローガンのままに突き進む明治大の打線を引っ張るのが、4番の北本一樹(4年、二松學舍大附)だ。初戦となった2回戦の福井工業大学戦は3ランを含む4打数3安打4打点の大暴れ。準々決勝の東洋大学戦でも2本のタイムリー二塁打。連日の大活躍で4強進出に大きく貢献した。

直前に変えたタイミングの取り方

「リーグ戦のときはプレッシャーを感じすぎて打てなかったんですけど、リーグ優勝してプレッシャーが軽くなりました。選手権では楽な感じで打ててます」。準々決勝の東洋大戦後、北本は笑顔で話した。

大会に入る1週間ほど前、打つときのタイミングの取り方を変えたことも好調の要因だという。「それまでは構えてバットを落としながらタイミングを取ってたんですけど、いらない動きだと思ったので、トップの位置を最初から決めて、力を入れないようにして引いてバットを出すというシンプルな形にしました。それも、力を抜くためのいい材料になったのかなと思います」

準々決勝では“戦国東都”のMVP投手である村上頌樹(3年、智弁学園)の変化球を狙い打った。フォークとスライダーをとらえ、2本のタイムリーツーベースを放った。
「2回戦でホームランを打ったのがまっすぐだったので、(村上が)それを見てたらたぶんまっすぐはこないだろうと思って、変化球を狙いました」。すべてがうまくいっている。

「いまはどんなボールにも対応できる気がする」と北本

昨秋は左肩脱臼で戦線離脱

東京の二松學舍大附属高校時代は2年生の夏、3年生の春の甲子園に出場。センバツでは1回戦の松山東戦でホームランを放っている。

大学では2年生の春にリーグ戦デビュー。3年生秋のリーグ戦は、2カード目の対慶應義塾大1回戦以降、サードでのスタメン出場が続いていたが、4カード目の対早稲田大2回戦で左肩を脱臼し、戦線離脱。10月下旬に手術した。冬の間はバットを振ることができなかったが、その分、トレーニングで下半身を強化。太ももは3cm太くなった。

今春のリーグ戦では4番サードで全12試合に出場した。本人は「リーグ戦では打てなかった」と言うが、36打数12安打6打点で完全優勝に貢献した。

「チームはみんな優勝を意識して、いい雰囲気になってます。できれば決勝にマサト(エースの森下暢仁)を温存したいので、準決勝は点を取って勝ちたいです。チャンスで打順が回って来たほうが気持ち的には上がってくるというか、自分がヒットを打てば点が入ると思うと“自分の番だ”みたいな感じで打席に入れるんで、ランナーがいた方が自分は好きですね」。いまの北本からは、4番の鏡のようなコメントが口をついて出る。

準決勝の相手は東京農業大学北海道オホーツク。4番のバットでランナーを返し、38年ぶりの優勝に王手をかけたい。

サードの守備でもはつらつ