アメフト

関学アメフトQB奥野耕世、昨年の年間最優秀選手が学びの春

奥野はこの春の試合でヘッドセットをつけ、コーディネーターも経験(撮影・安本夏望)

アメリカンフットボールの春のオープン戦が全国各地で終盤に入っている。昨年の学生王者、関西学院大学ファイターズは6月9日の神戸ボウル(対エレコム神戸)で、レギュラー組の春の全5試合を終えた。昨年までより秋の日程がタイトになるため、例年以上に春は各ポジションの2人目、3人目の可能性を見る戦いになった。

ヘッドセットをつけ、プレーも決定

昨年の年間最優秀選手に輝いたQB奥野耕世は、けがもあって4月27日の法政大学戦の前半と5月19日の明治大学戦の序盤しかフィールドに立たなかった。代わりに出た2回生の山中勇輝(関西学院)と平尾渉太(啓明学院)は、秋のリーグ戦序盤の戦いでは十分に通用するめどが立った。「山中と平尾が経験を積んでくれたのは大きいと思います。最終的に誰が出ても勝てるようになっとかなダメだと思ってます」と奥野。

奥野が試合に出ていないときはヘッドセットをつけ、オフェンスのプレーを出したり、出場しているQBにアドバイスしたり。プレー選択は、小学生のときからQB一筋の奥野にとっても難しかったそうだ。「実際に試合でプレーを出してみて、改めて難しさを実感しました。いつもプレーコールをしてくれてる大村(和輝アシスタントヘッド)コーチのすごさが分かりました」と言って笑った。

後輩のQB平尾に声をかける。うしろの13番がQB山中(撮影・篠原大輔)

サイドラインから試合を眺める時間も多かった。「ディフェンスのことは去年にくらべてよく分かるようになったし、オフェンスのラインナップ(OL)のことはかなり分かるようになりました」。学びを深めた。

本番の秋に向け、奥野自身の課題としてフィジカル面を挙げた。「全体的にちっちゃいんで……。上半身のけがばっかりで、負の連鎖って感じで。夏の練習に入るまでにまだ時間があるので、しっかりトレーニングしたいです。シーズンに入ると、どうしてもだんだん体が細くなっていくので、秋までに体重をためとくっていうか、増やしておきたいです」

初めてエースQBとして戦った昨シーズンは、光藤航哉と西野航輝という頼れる4回生QBがそばにいてくれた。この秋は奥野自身のリーダーシップも問われてくる。エース2年目の奥野がどうオフェンスを引っ張っていくのか、楽しみだ。

この春の明治大戦でプレーする奥野(撮影・北川直樹)

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