レスリング

沖永良部島出身の東洋大・川畑孔明、レスリング明治杯で自己最高の2位

川畑(向こう)は3回戦のラスト30秒で劇的な逆転勝利を収めた

令和となって初となるレスリングの明治杯全日本選抜選手権が、6月16日まで東京・駒沢体育館で開催された。男子フリースタイル79kg級に出場した川畑孔明(4年、樟南)は4人による総当たり戦で2勝1敗。自己最高となる2位に輝いた。

「優勝しろよ」の声がプレッシャーに

1回戦の相手は京都・網野高3年生の高橋夢大(ゆうだい)。開始1分で場外ポイントを獲得したが、第2ピリオドでバックを取られたところから点を重ねられる。終了1分前に1点ポイント差に追い上げたが、4-5で敗戦。川畑の心に不安がちらついた。大会前、周囲からの「優勝しろよ」という声にプレッシャーもあった。それでも2回戦は実業団の選手を相手に1点も与えず、テクニカルフォール勝ちで流れを取り戻した。

周囲の期待はプレッシャーにもなったが、その重みにつぶされなかった

昨年黒星の相手にリベンジ

翌日の3回戦は、昨年度の天皇杯で黒星を喫した拓殖大学の井筒勇人(2年、日体大柏)との一戦。天皇杯では井筒が2位、川畑が3位だっただけに接戦が予想された。また勝ち点も1日目終了時点で同率と、二人にとって大一番となった。

川畑(左)は最後まで気持ちを切らさず、リベンジを果たした

川畑は第1ピリオドで3点を先取された。しかし後半、川畑の逆襲が始まる。井筒を場外に押し出して1点返すと、バックへ回り、3-3の同点。このまま逃げ切ってもラストポイント制により川畑の勝ちとなったが、ラスト30秒でダメ押しの2点を入れ、逆転勝利を収めた。

故郷・沖永良部島への愛が支え

鹿児島の沖永良部島で生まれ育った川畑は、小学生でレスリングを始めた。オリンピック選手を数多く出している名門、樟南高校(旧鹿児島商工高校)に進学したが、思うような結果が出せず苦しい日々が続いた。そんな中でもあきらめることなく練習に励み、2015年の国体で準優勝。「勝ってる人は誰よりも練習してるので、自分もコツコツ練習する」という地道な努力が実を結び始めた。

メンタル面の課題を克服し、川畑はもっと進化する

川畑の心にはいつも故郷の沖永良部島がある。「自分が活躍することで、少しでも沖永良部を知ってほしい。島の人はいつ帰っても声をかけてくれて、自分が頑張るエネルギー源になってます」。並々ならぬ故郷への愛が、川畑を支える。

今回、全国の舞台で準優勝と決して悪くない結果だったが、優勝を目標に臨んだだけに悔しさもにじませた。「もっとメンタルを鍛えたい」と課題に精神面を挙げ、どこまでも上を目指し続ける。「東洋大の絶対的エース」。誰もがそう認める男は、すでに次なる戦いを見すえていた。

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