サニブラウン 100m準決勝で大会タイ記録、決勝で桐生祥秀との9秒台対決!
陸上の日本選手権が27日、博多の森陸上競技場で始まった。今回最も注目を集めているのは、サニブラウン・ハキーム(フロリダ大)だ。6月7日(日本時間8日)に全米大学選手権で9秒97の日本新記録を出し、今回の帰国はまさに「凱旋」。レベルの高い戦いを一目見ようと、平日にもかかわらず博多の森陸上競技場には8000人を超える観衆が集まった。
「ピストルが早かった」予選
サニブラウンはまず、午後3時5分からの予選に登場。5組で走ってトップ通過だったが、タイムは10秒30と自己ベストからはほど遠かった。本人曰く「ピストルが早かった」と、スタートが完全に遅れたという。確かにリアクションタイムは0秒212と、同組で最も遅かった。
午後7時35分からの準決勝は、予選のこともあって「しっかり音を聞いてからと思って出たら、聞きすぎた」と苦笑。それでも集中はでき、中盤~終盤にかけて体がしっかり動いたという。
「やるべきことをやりに来た」
明日28日の決勝には、前日本記録保持者の桐生祥秀(東洋大学~日本生命)、予選、準決勝とも1着で通過した小池祐貴(慶應義塾大学~住友電工)、10秒07の自己ベストを持つ多田修平(関西学院大学~住友電工)らが名を連ねる。それでもサニブラウンは自然体だ。「ほかの選手もみんな速いのはわかってるんで。そこは焦らず、自分のことをやればリラックスして前に出られるかなと思います。僕はやるべきことをやりに来た。練習でしっかりやってきたことを出せるように、ウォーミングアップから集中していきたいです」
準決勝で自身が2017年の決勝で出した大会記録に並んだが、「2年前とは全然違います」と言いきる。「10秒05でも気持ちよく走れてます。走りの内容も、気持ちの部分でも全然違います」
いまの状態は60%ぐらいで、「100%にはどう頑張ってもならない」ことが課題だなと思っているという。それは、伸びしろがまだまだあるということだろう。日本最高峰の舞台で、サニブラウンの「本当の力」がどこまで見られるだろうか。
■決勝(28日午後8時半、タイムは準決勝のもの)
2レーン 坂井隆一郎(関西大4年)10秒28
3レーン 川上拓也(大阪ガス)10秒24
4レーン サニブラウン・ハキーム(フロリダ大)10秒05
5レーン 桐生祥秀(日本生命)10秒22
6レーン 小池祐貴(住友電工)10秒09
7レーン ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)10秒20
8レーン 多田修平(住友電工)10秒21
9レーン 飯塚翔太(ミズノ)10秒27