ホッケー

関学ホッケー女子・寺川果実 誰よりも走り、復活を印象づけるゴール

相手ゴールへ果敢に攻める関学の寺川

関学の点取り屋が復活を予感させた。東京農業大学との全日本大学王座決定戦1回戦。第2クオーター(Q)9分、MF寺川果実(4年、羽衣学園)がチーム2点目を決めた。思わず右腕を高く掲げてガッツポーズ。駆け寄った寺川を、チームメイトたちが笑顔で迎え入れた。「久しぶりに点を決められて、すごく楽しい試合でした」と寺川。半年ぶりの得点に、全員にとび切りの笑顔が浮かんだ。チームを盛り上げる一撃は、曇天をも晴らした。

関学は王座決定戦の初戦を幸先よく3-0で突破した。第2Qの4分、DF中溝美紀(1年、瀬戸)の大学初ゴールで先制。一気に勢いに乗りたかった場面で、寺川にチャンスが訪れた。先制点から5分後、サークル内へ切り込んだMF原田千愛(4年、西京)の視線を感じた。「来る」。原田が打ち込んだボールにタッチシュート。4回生同士のあうんの呼吸で追加点が生まれた。

東農大との王座初戦でゴールを決めた

寺川は言う。「2点目でチームの雰囲気をさらに明るくできたと思います」。第2Q終了間際にはFW白間百華(3年、八頭)が3点目を決め、東農大に反撃を許さなかった。

中学でホッケーと出会い、高校は強豪へ

寺川がホッケーと出会ったのは中学1年生のとき。「めずらしくて、面白そう」という好奇心が湧き、中学校のホッケー部に入部した。周りも初心者ばかり。「どうしても試合に出たかった」と寺川。だが、その気持ちとは裏腹に、出場機会はなかなか巡ってこなかった。

試合に出ているにもかかわらず、「先輩に怒られたくないから、(本当は)試合に出たくない」と不満を漏らす同期を横目に、寺川は唇をかんだ。それでも、強い気持ちはブレなかった。顧問の教諭に直接アドバイスを仰ぎ、自分に足りない部分を分析。3年生のときには主将を務め、チームの核となった。高校は強豪の大阪・羽衣学園高に入学。日本代表選手を擁するチームで、技術を磨いた。「厳しくても、うまい人たちの中でプレーできるのが楽しかったです」。向上心だけは誰にも負けたくなかった。

大学でもホッケーに打ち込むと決め、関学へ。「下級生のときは自由にやっていいよと言われていたので、気楽でした」。寺川は笑顔で振り返った。2回生の春には、リーグ戦と王座決定戦で3度のハットトリックをマーク。文句なしの活躍ぶりで、チーム一の点取り屋となった。「当時のキャプテンが一人ひとりをすごくよく見てくれてたんです。4回生のために頑張ろうという一心でした」

どんなときも「誰よりも走る」

だが、いいときは長くは続かなかった。寺川が3回生になるとき、卒業で主力がごっそり抜けた。当時のことを寺川は「練習してるのに、まったく結果に結びつかなかった」と明かす。だが、同期の言葉に励まされた。「いろんな指摘をしてくれました。頑張ってるところを見てくれている存在は大きかったです」。くすぶることなく努力を怠らない姿勢が、最後の王座決定戦での得点に結びついた。

チームメイトからの励ましをを受け、寺川ははい上がった

調子の上がらないときも、これだけは続けてきた。「誰よりも走る」。競技を始めてから現在まで、自分の軸はぶらさない。「練習か試合か、先輩か後輩か関係なく、どんなときも誰にも負けない姿勢を見せていきたいです」。最後まで自分を信じ、チームを勝利へと導く。

今年も「4強撃破」にかける。女子ホッケーの場合は山梨学院大、天理大、立命館大、東海学院大。関学は創部以来、その壁を破ったことはない。今回の王座決定戦準々決勝でも、東海学院大に1-6と完敗。「相手に圧倒されました。力不足です」と寺川。だが、下を向いているヒマはない。「王座で負けた悔しさを生かしたいです。ラストのインカレに向けて、誰よりも走ります」。復活した点取り屋の勢いは、もう誰にも止められない。

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