東洋大の「桐生2世」宮本大輔、目指すは男子100mのトップ
5月24日にあった関東インカレの1部男子100m決勝で、東洋大の宮本大輔(2年、洛南)が10秒02をたたき出した。電光掲示板にその数字が表示された瞬間、会場がどよめいた。
順調に成長したスーパールーキー
宮本は山口・周南市立周陽中学校3年のときに100mの中学記録を更新。当時から常に注目される存在だった。高校ではインターハイと国体の100mで2連覇を達成。大学は高校の先輩である桐生祥秀(よしひで、現・日本生命)と同じ東洋大を選んだ。必然的に「桐生2世」と呼ばれたが、本人はいたって冷静だった。「学生だけでなく、格上のシニアの大会でも1年目から結果を残していきたいです」。大学入学時のインタビューでそう語った宮本。スーパールーキーは着実に力をつけていった。
入学して約2カ月後の関東インカレで、宮本はいきなり100mを制した。今年の関東インカレには手負いの状態で臨んだ。大会の数日前に左膝に痛みを覚え、テーピングをして出場。不安もあったが、順当に決勝へ進んだ。決勝は明らかな追い風の中、快調にスタート。宮本の特長であるしなやかな走りで加速し、1位でフィニッシュ。注目されたのはタイムだ。10秒02。追い風4.3mで参考記録とはなったが、衝撃のタイムで2連覇を達成した。
「10秒0台のスピードを体感できたことはすごく大きかったです」と宮本。その後も日本選手権やユニバーシアードで経験を積んだ宮本が目指すのは、男子100mの頂点だ。常に見る者を驚かせてきた宮本が、次はどんな驚きを与えてくれるのか。注目せずにはいられない。