慶應バスケ髙田淳貴 大学界屈指のスコアラー、最後の戦いへ挑む

好プレーにチームメイトと喜びを分かち合う髙田(右)

誰が見ても美しい動き。言葉にするのは簡単でも、激しさと速さのあるバスケットボールの試合で体現するのは難しい。それでも、大学バスケ界屈指のスコアラーへと進化を遂げた髙田淳貴(4年、徳島・城東)は、その誰が見ても美しい動きをいとも簡単にやってのけ、慶大を勝利へ導いてきた。ラストイヤーを迎えたスコアリングマシーンの挑戦が始まっている。

昨秋リーグ全22試合に出場して409得点

昨秋の第94回関東大学リーグ戦では、2部の全22試合にスターティングメンバーとして出場し、総得点は409。2部の得点ランキングで3位に入った。入学直後から「絶対エース」と名高い山﨑純(4年、土浦日大)がシーズンの前半をけがで離脱。「3部降格か」ともささやかれたが、1部との入れ替え戦まであと一歩のところまで迫った。その躍進は、髙田の活躍なしには語れない。1部昇格という目標には届かなかったが、本人もシーズンを振り返り「リーグ戦の2カ月間はプレー面でも精神的な部分でも、本当に楽しく充実して過ごせました」と話しており、実りあるシーズンだったことが伺える。

早慶戦の舞台で躍動した髙田

新チームに感じた不安、変わらぬ活躍

充実したシーズンから約4カ月の経った今春、新しい慶大バスケ部が本格始動した。髙田は副将に就任した。新チームの初めての公式戦となった第15回東京六大学リーグ戦。チームをまとめ、精神面での支柱となっていた1学年上の先輩たちが抜けた穴は、髙田にとって大きな不安要素になっていた。

それまでは2桁得点が当たり前になっていたが、六大学リーグ戦の初戦は6得点にとどまった。しかし最終日の早大との一戦では18得点と大活躍。いままで試合経験の少なかったメンバーが短期間で大きな飛躍をとげたのが後押しとなり、昨秋と同じような活躍を披露した。ひとりひとりが自分たちの役割をまっとうし、想像以上のチーム力を発揮している新チームに「やりにくさは感じていない」と語る。

副将として、Wエースとして

これまでは自分のプレーだけに100%集中していた。副将となったいまは、チームのために「プレーしやすい環境づくり」と「精神的支柱になること」を意識しているという。副将としてチームのみんなに向かって発言しなければいけない立場だ。プレーにも立ち回りにも責任が伴ってくる。その責任を「うまくプレーに還元できてます」と、髙田は語る。

髙田は副将として、慶大の5番を背負う

チームの方針として、この春シーズンは髙田と山﨑のWエースで臨んできた。ほかの選手たちからも、Wエースに得点させるためのプレーを心がけているという話が聞こえてくる。

髙田自身、この体制で本当にいいのか不安もあったそうだ。しかしここまで試合を積み重ねてきた中で、自分たちの取り組んできたことに間違いはなかったことを実感し、「この体制に完全にチームとしてシフトして、100%役割をこなしてくれていることに本当に感謝してます」と、チームメイトへの思いを口にするとともに「自分たちが試合を決めていかなければいけない」と任せられた役割への責任を語った。

もちろん相手からのマークも厳しくなっている。髙田は「そういう役割を任せられているからには、マークが厳しくなったことでパフォーマンスを落とすのはあってはならないこと」と語り、Wエースとしての覚悟を感じさせた。

責任と覚悟の中で、さらなる飛躍を

春の目標である早慶戦勝利を成し遂げた。最後まで拮抗した展開の中で、髙田の連続得点がラストスパートの合図となった。18得点の大活躍だった髙田も最後の早慶戦という大舞台に緊張して空回りしてしまい、前半はわずか4得点だった。思うようにいかないプレーの連続に焦りも募る中、髙田のスイッチを入れたのは、苦しい時間帯に早大の猛攻を食い止めたチームメイトの存在だった。仲間の活躍に背中を押され、最終クオーターではいつもの感覚を取り戻した髙田のきれいな弧を描くシュートに、気づけば会場中が釘づけになっていた。

ガードとして指示も出す髙田。ラストイヤーにさらなる飛躍を

ラストイヤーの最初の山を乗り越えた髙田は、自分たちの努力の方向性に間違いがないことを確信している。秋のリーグ戦は8月24日に開幕する。力が拮抗(きっこう)したチームの集まる中で、22試合を全力で戦いきることができるだろうか。ただ、困難な状況でもチームの躍動を支えに奮闘する髙田に、もう恐れるものなどないはずだ。責任と覚悟の中でさらなる飛躍を遂げるスコアリングマシーン。「Wエース」の一翼として、髙田の存在はチームの大きな柱となっている。慶大の5番髙田の誰が見ても美しい動きから目が離せない。
戦いはもう目の前まで迫っている。

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