ラクロス

神戸大ラクロス津田梨乃 農学部の「理系アスリート」が阪大戦で4得点の輝き

阪大戦で笑顔をはじけさせる津田(中央、すべて撮影・安本夏望)

関西学生ラクロスリーグ戦・女子1部

8月25日@大阪国際大松下キャンパス
神戸大(1勝2敗) 16-5 大阪大(2敗)

神戸大が女子の昇格組対決を制した。昨シーズン、大阪大は2部で全勝して1部へ自動昇格し、神大は入れ替え戦を経て昇格していた。両者の対戦は神大が16-5の大差で今シーズン初勝利を挙げた。

「ゴリONE」をこの秋の必殺技に!

神大のAT(アタック)津田梨乃(4年、茨木)は、この一戦で自身初の4得点。これまで課題として挙げていたショットを改善。「いままでで一番のショットを決められました。これを自信にしていきたいです」。過去の自分と決別する1日となった。

津田らしさが出たのが、4得点目となった第3クオーター(Q)のフリーショット。ネット裏の1on1から相手のファウルをもぎ取った。「狙い通りです」と話したように、ネット裏の1on1は津田の得意とするプレー。チームメイトから「ゴリONE」と名付けられた。「この秋の必殺技にしていきたいです」と、照れくさそうに言った。

津田は1対1に自信を持っている

津田は農学部で学ぶ「理系アスリート」だ。生物の資料集に載っている動植物やその構造を知ることに興味があり、もともとは京大農学部を目指した。だが、センター試験の結果が芳しくなく、志望校を神大に変更。そこからは、朝8時から塾の自習室が閉まる夜10時半まで勉強漬けの日々。センター試験の「D判定」を覆し、神大農学部に合格した。「驚きでした。神大はセンターの比重が大きくて自信がなかったので。とにかくうれしくて、泣きましたね」

周囲の状況を見ながら、駆け出す

農学部の研究とラクロス、どちらもやりきる

ラクロスも研究も。両立は想像以上に大変だった。「ラクロスをやめたいとは思わなかった」と言うが、3回生の1年は苦しんだ。朝8時から昼過ぎまで練習し、午後からは研究。遅い日は夜の10時までかかった。「練習もしたいし、研究も周りに置いていかれたくなくて、ブルーな気持ちでした」。ラクロスでは2回生からスタメンで試合に出てきたが、3回生の1年は、なかなかショットを決めきれなかった。もどかしさに拍車がかかった。それでもあきらめなかった。「やっと研究とラクロスの両立に慣れてきました」。最後の最後まで、どちらもやりきるつもりだ。

ラクロスも研究もやりきる4years.が「うめ」を輝かせる

コートネームが「うめ」に決まったのには二つの側面がある。一つは単純に、先輩が「津田梅子」から連想して名付けた。もう一つは、「梅は厳しい冬の寒さに耐えられる。厳しい状況でも耐えられる人になってほしい」との願いが込められた。「両立はしんどかったけど、二つのことに夢中になれた。まだ終わってませんけど、自分自身が成長できたと感じてます」。大学院への進学が決まった。あとは、創部初のFINAL4進出を目指す。

季節外れの梅の花、満開にしてみせる。

in Additionあわせて読みたい