王者関学、スッキリしない白星スタート 関西学生アメフト第1節
アメリカンフットボールの関西学生リーグ1部は9月1日、神戸・王子スタジアムで1試合があり、4年連続の甲子園ボウル出場を狙う関西学院大が31-7で2部から復帰した同志社大を下した。関学は全体的にちぐはぐで迫力不足で、スッキリしないスタートになった。
同志社のブリッツ、食い止められず
関学が常に大事にしているオフェンスのファーストシリーズは、自陣28ydから始まった。まずはエースQB奥野耕世(3年、関西学院)がTE遠藤壮真(2年、同)へのパスを決め、25yd前進。敵陣へ入ったが、ランでロスしたあと、パスを2回失敗。得点には至らなかった。しかも攻撃権を放棄するパントの際、パントのメンバーに入るはずの4回生の選手がフィールドに入るのを忘れ、手間取った。
次の攻撃シリーズは敵陣34ydからと絶好のフィールドポジション。ラン3プレー、パス3プレーでシーズン初タッチダウン(TD)につなげ、7-0と先制した。さらに2TDを加えて21-0で試合を折り返したが、OLの5人が相手のブリッツを食い止められず、奥野がパスを投げる前に相手に襲いかかられるシーンが何度もあった。前半終了間際には関学のパントが相手ゴール前に転がった際、エンドゾーン手前のギリギリで止めようとしすぎたのか、何人もボールの近くにいるのに誰も手を出さず、タッチバックにしてしまった。鳥内秀晃監督(60)が常に口にする「何が得で何が損か考えろ」という言葉とは正反対の行動だった。関学らしくなかった。
鳥内監督「ナメすぎやね」
後半に入ってもQB奥野を使ったが、最初のシリーズで得点に至らず、次のシリーズから2回生の平尾渉太(啓明学院)に替わった。ディフェンスもレギュラー陣はベンチへ戻った。第3クオーター8分すぎ、同志社が中央付近へ投げたロングパスがWR毛綿谷海都(もめんや・かいと、4年、同志社香里)にヒット。その瞬間、ボールに寄っていた関学のDB2人がぶつかって転倒。俊足の毛綿谷にエンドゾーンまで走り込まれてしまった。21-7となった。その後関学が10点を加えて試合終了。今シーズン限りでの退任を表明している鳥内監督は「フットボールをナメすぎやね」と語った。
関学の今年の4回生はスタッフも含めて約60人と異例の大所帯。学年内でなかなかまとまらず、この夏も退部者が出たという。関学は4回生のチームと言われるだけに、彼ら、彼女らが変わっていかないと、戦力的に関西ナンバーワンでもどうなるか分からない。