ラグビー

同志社ラグビー リーグ初戦に3シーズンぶり勝利、残った課題

同志社は前半、先制すると積極的に攻めた

ムロオ関西大学ラグビーAリーグ 第1節

8月31日@大阪・鶴見緑地球技場
同志社大(1勝)52-40 摂南大(1敗)

ムロオ関西大学ラグビーAリーグが8月31日に開幕した。同志社は摂南大と対戦。開幕戦のプレッシャーをはねのけ、粘る相手を52-40で下し、3シーズンぶりに開幕戦勝利を収めた。チーム史上初めて2年連続で大学選手権出場を逃している同志社。もう負の連鎖は許されない。

先制で7点、幸先良いスタート

あいにくの雨。摂南大のキックで初戦がスタートした。外国人留学生を抱える摂南大に対して序盤からギアを上げる。夏合宿で徹底的に強化を図った同志社のフォワード陣が先手必勝。前半5分、摂南大のオーバー・ザ・トップによりラインアウトを得ると、そのままモールで押し切り先制トライ。WTB原田健司(4年、修猷館)のキックも決まって7-0とした。

チャンスは再び訪れる。自陣でターンオーバーに成功し、CTB倉岡治輝(2年、尾道)のキックを摂南大がキャッチミス、ゴール前で同志社のファーストスクラムとなった。SH人羅奎太郎(3年、東海大附仰星)が投入したボールをNO.8の服部綾(4年、東福岡)が拾い上げ、右サイドを抜けてトライ。14-0とした。

前半15分には相手にトライを許す。それでも変わらずフォワード陣が奮闘。モールからHO橋本一真(4年、常翔学園)がトライ。21-7と突き放した。

まだまだ止まらない。相手キックを受け、弓削からFB山口楓斗(2年、東海大附福岡)へつなぐと、一気に相手ディフェンスを切り裂いてゲイン。左から走り込んできた原田に預け、中央へ走り込んだ和田にボールが渡ると、そのまま独走。28-7とした。

開幕戦のプレッシャーはあったが、選手たちは今までの練習の成果を出して躍動した

その後、ブレイクダウンの攻防から弓削が2本目のトライをあげたが、前半終了間際だった。同志社のオフサイドからタップキックでリスタートした摂南大に対し、LO平澤輝龍(4年、前橋育英)、原田がカバーに入ったが、細かいパスをつながれトライを許す。前半を35-14で終えた。

苦しい時間が続いた後半

「前半の後半から後半の前半にかけて、相手の方に勢いがあって、その勢いで点数を重ねられました」と服部。後半は前半と比べ、苦しい時間が長くなった。後半開始早々、摂南大のラインアウトから中央でボールを受けたFBへタックルできず、そのままトライを献上してしまう。

後半10分、服部が敵陣22mまでボールを持っていくと、WTB山本雄貴(4年、同志社)がボールを受け、ゴール前へ。ブレイクダウンからフェーズを重ね、フォワードがじわじわとねじ込んでいく。最後はアシストを受けた服部の2本目のトライで再びリードを広げた。

しかしその後も勢いに乗った外国人留学生のラインブレイクを何度も食らい、苦しい状況に。前半とは反対に、テンポを上げた摂南大の展開に翻弄(ほんろう)され、同志社の劣勢が続く。トップスピードでパスを受けて突破を図る摂南大を止めきれず、2連続失点を許し、42-35と1トライ1ゴール差へと迫られた。

成長したフォワード陣が流れを変えた

流れを変えたのはフォワードだった。「いままでフォワードの頑張ってきた成果が出た」と萩井好次監督。勝負所での同志社のラインアウトモールが、相手にとって脅威となった。この試合3本目となるモールからのトライで49-35とし、フォワードの成長ぶりを見せつけた。

勝利したものの、昨季からの課題もみられた

後半38分、敵陣22m付近で摂南大がオフサイド。点差を広げるべく、ゴールキックを選択。「過去4年間の結果がすべて。初戦はキックの部分で勝敗を分けるのが続いてた」と原田。原田の蹴ったボールはゴールポストに吸い込まれ、52-35。2トライ2ゴールでも逆転できない状況を作り出した。試合終了間際に摂南大にトライを許したが、52-40でノーサイド。3シーズンぶりに初戦を白星で飾った。マン・オブ・ザ・マッチには原田が選ばれた。キック成功率は100%だった。

課題も残った。相手のペースに乗られたときの連続失点、そして試合終了間際での失点は春にも見られた光景だ。「後手に回ってしまったのは、チームの誰かが一歩引いてしまった結果だと思う」と山本。連戦が続く中、まだまだ精神面の強化が必要になってきそうだ。

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