サッカー

東洋大サッカー、1部残留をかけた早稲田との“裏天王山”でスコアレスドロー

巧みなボールタッチでチャンスを作った東洋大の中村

関東大学リーグ1部 第13節

9月21日@千葉県総合スポーツセンター東総運動場
東洋大(勝ち点5) 0-0 早稲田大(11)

東洋大は昨年、リーグ戦で7位になり初めてインカレに出たが、今年のリーグ戦では2部降格の危機にひんしている。前期の11試合を終えて得た勝ち点はわずかに4。総理大臣杯王者の明治大に1-2で敗れた前節、同じ勝ち点4の流通経済大が引き分けたため、東洋大は得失点差でついに最下位へ転落した。

迎えた今節の相手は早稲田大。前節の明大戦後、MF桑原遥(3年、桐光学園)が「リーグ戦だけれども、負けたら終わりという気持ちで次戦も臨んでいきたいです」と語ったように、早稲田からの勝ち点3獲得は最大のミッションだった。12節終了時点で12位の東洋大と10位の早稲田との勝ち点差は6。勝てば勝ち点3差に詰められる一方、負ければ勝ち点差が9に広がるため、1部残留をかけた“裏天王山”となった。

野本のセットプレーからチャンスを創出

試合は開始直後から東洋大ペースで進んだ。前半7分、パスを受けたMF中村陸(3年、柏U-18)が右サイドを駆け上がり、MF坪川潤之(4年、矢板中央)とワンツーで突破。スルーパスに抜け出したMF梅津凌岳(2年、京都橘)がシュートを放ったが、サイドネットへ。同40分には、右サイドで得たFKからチャンスをつくった。DF野本幸太(3年、市立船橋)が蹴ったボールはDFに跳ね返されるものの、こぼれ球を拾った桑原が強烈なボレーシュートを放つ。これは早稲田のGK上川琢(2年、湘南ベルマーレユース)に惜しくも阻まれ、スコアレスのまま前半を折り返した。

後期からスタメンに定着した桑原は、チーム最多となる3本のシュート放った

後半は一転、早稲田に攻め込まれたが、J2の柏レイソル入りが内定しているGK松本健太(4年、柏U-18)を中心とした守備陣がゴールを許さない。すると後半29分、MF長澤昂輝(3年、前橋育英)に対するファウルで早稲田のFW藤沢和也(4年、早稲田実業)が一発退場。数的優位に立った東洋大は野本のCKから立て続けにチャンスを迎えた。しかし同37分に途中出場のFW荒川勇気(4年、旭川実業)、同40分に桑原が放ったヘディングジュートはいずれも枠外へ。さらに同41分、野本のクロスからニアサイドに走り込んできた桑原が合わせるもゴールを奪えず、結局スコアレスドローに終わった。試合後、古川毅監督は「勝ち切りたいゲームだった」と悔しさをにじませた。

「シュートチャンスで決め切れなかった」と桑原が語るように、今節でも決定力不足が浮き彫りになった。しかし後期リーグでは中村、桑原を軸にチームとして素早いパス回し、コンビネーションから相手を崩すシーンもあり、悲観すべき内容ではない。ゴール前の精度を高め、勝利を手繰り寄せたい。

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