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特集:第88回日本学生陸上競技対校選手権

近大高専4年・伊藤陸 高専で養った力、初出場の日本インカレ三段跳びでV

自らの記録が記載されたボードとともに記念撮影に応じる伊藤(撮影・藤井みさ)

第88回日本学生陸上競技対校選手権 男子三段跳び決勝

9月15日@岐阜メモリアルセンター 長良川競技場
優勝 伊藤陸(近畿大学工業高等専門学校4年)16m34(U20日本新記録)

陸上の日本インカレ最終日の9月15日、男子三段跳び決勝で近大高専4年生の伊藤陸が初出場で頂点に立った。

「これ、来たな!」U20日本新を樹立

5回目の跳躍へ、伊藤は助走路に立った。会場に手拍子が鳴り響く中でジャンプ。「これ、来たな!」。好記録を確信した伊藤は着地と同時に、大きく2度ガッツポーズ。「いつもはしないんですけど、してしまいましたね」と、満面の笑みで言った。それもそのはず、優勝を決めたこのジャンプで、自己ベストを大きく更新する16m34をマーク。高専4年生の伊藤は大学でいえば1年生だ。中西正美氏(当時・日体大)のU20日本記録(16m29)を42年ぶりに塗り替えた。

伊藤は5回目の跳躍のあと、何度もガッツポーズをした(撮影・藤井みさ)

2日前には走り幅跳びに出た。東洋大の津波響樹(つは・ひびき、4年、那覇西)、日大の橋岡優輝(3年、八王子)、順天堂大の泉谷駿介(2年、武相)という日本陸上界のビッグネームに次ぐ4位に入った。7m82の記録について「強い人たちに囲まれて緊張したんですけど、助走がスムーズでいいジャンプができました」と振り返った。そのの勢いのままに、三段跳びで学生王者に輝いた。

父から受け継いだ跳躍の才能

父の純哉さんも走り幅跳びと三段跳びの選手で、インターハイで上位入賞したこともある。名前の「陸」はもちろん、陸上からつけられた。幼少期から足が速く、陸上は小学2年生から始めた。跳躍に本格的に取り組みだしたのは、近大高専に入ってからだ。「跳躍をするならここ」と勧められて進学した。伊藤自身は乗り気ではなかったが、三重県の新人戦で三段跳びに出場。初めての大会でいきなり13m71をマークし、3位になった。「適当にやってただけだったけど、あの大会で初めて三段跳びを知ったという感覚でした」。そこから三段跳びにのめり込んだ。

のびのびと練習し、伊藤は実力をつけた(撮影・松尾誠悟)

近大高専陸上部は45人。学校内には300mのタータントラックがあり、走り幅跳びの奈良県高校記録保持者である松尾大介監督から指導を受けている。今年の5月には、三重県の強化指定運動部になった。陸上部では、ほかに5校が指定された。伊藤は制御情報コースでプログラミングを学びながら跳んでいる。「(陸上部の)人数が多くなくて、のびのびできてるのが自分に合ってました」

来年は幅跳びでも、さらに上を

伊藤は「大学の試合は初めてで、楽しかったです」と言った。いきなり日本インカレの頂点に立った。「来年は三段跳びだけではなく、走り幅跳びでもいい順位を狙いたいです」。早くも1年後の飛躍を誓った。

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