卓球

中大卓球のエース瀬山咲希、リーグ戦最後のシングルスで演じた激闘

ポイントを取り、思わずガッツポーズする瀬山(すべて撮影・マンティー・チダ)

卓球の秋季関東学生リーグは9月13日に最終日を迎えた。中央大は青山学院大、早稲田大に次ぐ3位に終わった。エースとしてチームを引っ張ってきた瀬山咲希(4年、富田)は大学卒業を機に第一線を退くことを決めている。最後のリーグ戦をどのように戦ったのだろうか。

相性の悪い相手に2-0から逆転負け

瀬山は最終戦までシングルス2勝1敗だった。学生生活最後のリーグ戦シングルスは、早大の鎌田那美(4年、駒大苫小牧)が相手。「勝率も悪くて、ちょっと苦手な相手でした」。相性の悪いことはもちろん、瀬山の頭にあった。

第1ゲーム、11-11のイーブンになってから瀬山も鎌田も譲らない。瀬山が取れば、鎌田が取り返す。最後は15-13で瀬山がとった。第2ゲームは、立ち上がりから鎌田に先行を許すが、瀬山は2-4から5連続得点で逆転。その後も得意のバックハンドで優勢に試合を進め、11-5でゲームを奪って勝利に王手をかけた。

得意のバックハンドを決める瀬山

第3ゲームは瀬山のバックハンドにずれが生じ始め、5-5に。7-7まで競ったあと、鎌田に4連続得点を許し、7-11で奪われた。第4ゲームは鎌田に3-3から抜け出され、4-8に。最後はラリーで優勢に立った鎌田の3連続得点で6-11。2-2で最終ゲームに向かう。

第5ゲームは瀬山が鎌田を追いかける展開で始まった。4-4から先に抜け出したのは鎌田だった。サーブからの3球目をフォアハンドでたたきつけ、3連続得点。ここでたまらず中大はタイムアウト。直後から瀬山は得意のバックハンドで3連続得点し、7-7と追いついた。ここから一進一退の攻防が続き、10-10のデュースに。瀬山はバックハンドで、鎌田はフォア。両者は一歩も譲らない。瀬山はラッキーなネットインから得意のバックハンドで勝利に王手をかけたが、最後は鎌田に3連続得点されて、16-18で敗れた。逆転負けを喫し、瀬山にとって学生最後のリーグ戦が終わった。

みんなが背中を押してくれたから粘れた

「本当に最後と考えると緊張もしたし、不安もありましたが、最後はみんなに感謝の言葉でいっぱいです」。瀬山は最後のリーグ戦を終えて、そう言った。「いままで打倒早稲田という気持ちでやってきたので、最後の目標は達成できませんでしたけど、優勝を目指すよりもみんなで楽しめたことがよかった。苦手な相手でしたけど、みんなが背中を押してくれたので、あそこまでいい戦いができたと思います」

ポイントを決められ、天を仰ぐ瀬山

最後ということもあり、かなり気合が入っていたという。「みんなからのアドバイスも、いままで鎌田選手の戦いぶりを見てきた人たちからも言われたのは『粘ること』。最後はその通りにやれたので、悔いはないですね」

このあとは全日本学生選手権・個人の部が控えている。「4年生は『まだこれから』と思っているので、頑張っていきます」。瀬山は集大成の個人戦に向け、最後の力を振り絞る。

in Additionあわせて読みたい