野球

慶應が明治に2連勝 自身91年ぶりの10戦全勝優勝まであと一歩

1回戦で先制の2ランホームランを放った柳町

東京六大学秋季リーグ 第6週

10月19、20日@神宮球場

第1試合 慶應義塾大 4-1 明治大
第2試合 慶應義塾大 2-1 明治大

プロ野球ドラフト会議後、初の試合となった東京六大学野球秋季リーグ戦第6週。慶應義塾大の相手は春季リーグ戦で連敗を喫した明治大だった。慶應、明大合わせて6人の選手がプロ野球ドラフト会議で指名されたこともあり、特に進路がプロに決まった選手に注目が集まっているように思われた。

首尾よく先制、盤石の投手リレーで初戦勝利

1回戦、先攻の慶應は見事な先制攻撃を見せる。1回表、1死二塁の場面で打席には福岡ソフトバンクホークスから5位指名された柳町達(4年、慶應)。横浜DeNAベイスターズから3位指名された明大先発・伊勢大夢(4年、九州学院)の初球、真ん中に甘く入ったチェンジアップを捉えるとそのまま打球はセンターバックスクリーンへ。6連勝中の勢いそのままに先制に成功する。

中盤、両先発が好投を見せ、スコアボードに0が並んだ。5回表、先頭の柳町、中日ドラゴンズから4位指名された郡司裕也(4年、仙台育英)の連打で、無死二、三塁。そこで相手投手の暴投と6番・福井章吾(2年、大阪桐蔭)の犠飛により2点を奪い、硬直した雰囲気を破った。

安定した投球を披露した慶應中継ぎ陣にとって、3点差は十分だった。6回は髙橋亮吾(4年、慶應湘南藤沢)、7回と8回は東北楽天イーグルスから3位指名された津留﨑大成(4年、慶應)、9回には石井雄也(4年、慶應志木)がそれぞれの役割をきっちりと果たし、中盤から明大打線をほぼ完璧に封じた。4-1、大事なカード初戦を勝利で飾った。

先制されるも、接戦で価値あるサヨナラ勝利

2回戦、慶應の先発はここまで自責点0、防御率0.00の森田晃介(2年、慶應)。対する明大の先発は広島東洋カープから1位指名され、「大学NO.1右腕」と呼び声高い森下暢仁(4年、大分商)だった。

今季未だ自責点0の森田晃

序盤、両先発が持ち味を十分に発揮し、なかなか得点が入らない回が続いた。均衡を破ったのは5連敗中の明大。4回表、先頭の陶山(2年、常総学院)がセーフティーバントを試みると、捕手・郡司の悪送球が絡み、二塁まで進塁を許してしまう。一死後、3番・北本(4年、二松学舎大附)に右翼ライン際に適時打を許し、重要な先制点を奪われてしまった。

追いつきたい慶應は5回裏、死球と犠打で作った2死二塁の好機で打席には今季絶好調、打率4割超のルーキー・下山悠介(1年、慶應)。森下からこの日2本目の長打となる右翼への二塁打を放ち、試合を振り出しに戻した。

その後も両先発が好投を見せ、試合は9回裏、慶應の攻撃を迎える。簡単に2死となるが、小原和樹(4年、盛岡三)が左翼へ二塁打を放ち、サヨナラ機を演出する。続く瀬戸西純(3年、慶應)が申告敬遠で歩かされ、2死一、二塁の場面で打席には代打・橋本典之(2年、出雲)。2ボール2ストライクからの6球目を捉えると、打球は中堅手の奥に落ちた。これが値千金のサヨナラ打となり、慶應は開幕8連勝で勝ち点4とした。

2回戦、サヨナラで喜ぶ選手たち

4年生を中心に勝利を収めた明大1回戦、下級生を中心に勝利を収めた明大2回戦。いまの慶應はラストイヤーの4年生と、彼らと一緒に優勝したいという思いが強い下級生の力がかみ合って、チームとして非常にいい状態だ。慶應義塾大学としては91年ぶりの10戦全勝優勝へ、そしてその先へ。慶應の躍進はまだまだ続く。

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