野球

特集:第50回明治神宮野球大会

開幕戦は東海大札幌・高沼拓海の変化球がさえ、被安打4で大商大打線を完封

大学の部開幕戦で完封勝利を挙げた東海大札幌の高沼(すべて撮影・佐伯航平)

第50回明治神宮野球大会

11月15日@神宮球場
1回戦 東海大札幌(札幌学生)2-0 大阪商業大(関西六)

50回記念明治神宮大会が開幕した。大学の部の開幕戦では大商大(関西五連盟第二代表)と東海大札幌(北海道二連盟代表)が対戦。東海大札幌は左の先発高沼拓海(4年、旭川工)が変化球を低めに集め、被安打4で完封勝ち。打っては5番の赤尾光祐(3年、東海大相模)が全2打点を挙げる活躍。3年ぶり2度目の出場で初戦を突破した。

7回にこの日2打点目となるタイムリーを放ち、ほえる赤尾(左)

 打っては5番赤尾が全2打点の活躍

東海大札幌の高沼はスライダー、ツーシームのコンビネーションで大商大打線に的を絞らせなかった。「立ち上がりは緊張しましたけど、打線が初回に1点を取ってくれたことがすごく大きかった」と話した通り、いきなりの先取点をもらってから、自らのリズムで投げて相手に凡打を重ねさせた。2回を除いてはランナーを背負いながらのピッチングが続いたが、何とか切り抜ける。「いつも通り、ゾーンにしっかり投げ込むことだけを考えました」と言って、笑顔で汗をぬぐった。

6回、2死三塁のピンチでゴロを処理する東海大札幌の主将でセカンドの外石

過去3年間で、公式戦の登板は1試合だけ。転機は昨秋だ。オーバースローからひじをやや下に下げたフォームに変えたことで変化球のキレが増し、ピッチングの幅が広がった。高校時代は甲子園に縁がなく、この大会が人生初の全国舞台。来春の卒業後は社会人野球でプレーすることが決まっている。「4年間の集大成の大会になるので、最後は笑顔で終わりたいです。できれば日本一になりたい」と、先を見すえた。

一方の大商大はヤクルトからドラフト4位指名を受けた大西広樹(4年、大商大高)を先発マウンドに送り込んだが、1回に4安打を浴び、満塁のピンチから1点を失った。球が走らず調子がいまひとつだった大西をあきらめ、富山陽一監督は2回ノーアウト一、二塁から中日にドラフト2位指名を受けた橋本侑樹(4年、大垣日大)にスイッチ。橋本は7回途中までヒットを許さぬ好投を見せたが、この回に連打を浴びて2点目を失った。打線が突破口を開けず、ホームが遠かった。

2回途中から好救援を見せた大商大の橋本

 大商大・富山陽一監督の話
「大西は1年生からチームを引っ張ってくれたピッチャーです。今日は大西を先発させると決めてました。でも、今日はいつものピッチングじゃなかった。点を取られたら交代と決めていたので、すぐ橋本に交代しました。橋本がよくカバーしてくれました。相手のピッチャーがよくて、打線が対応できませんでした。左を予想してバッティング練習をやってきたのですが、向こうが一枚上手でした」

in Additionあわせて読みたい