大学陸上・駅伝

特集:第96回箱根駅伝

駒澤大・田澤廉 八王子ロングディスタンスで快走、ゴールデンルーキーは箱根でも輝く

ダブルピースでフィニッシュする田澤(すべて撮影・藤井みさ)

八王子ロングディスタンス2019

11月23日@法政大学多摩キャンパス
8組2位 田澤廉(駒澤大1年)28分13秒21

11月23日の八王子ロングディスタンス(LD)に、駒澤大のスーパールーキー・田澤廉(1年、青森山田)の姿があった。全日本大学駅伝での活躍は記憶に新しいところで、集まった陸上ファンの多くは田澤の走りに注目していた。

前半は抑えて、最後にスパート

田澤は11月3日の全日本大学駅伝で7区を走り、区間賞を獲得した。レース後に大八木弘明監督は「駒大記録を全部破らせるつもり」と明言。5000mと10000mの駒大記録はともに村山謙太(現・旭化成)が持っている。10000mは27分49秒94。「スピードの強化ができれば超えられるんじゃないかな」と期待を口にしていた。

この日は朝から雨が降り続き、レース時の気温は11度。同じ組には「27分台を狙う」とTwitterで宣言した東京国際大学の伊藤達彦(4年、浜松商)のほか、実業団で活躍する実力者が名を連ねた。

ラスト1周の鐘とともに、田澤のギアがあがった

27分台をターゲットにしたこの組は、ジョナサン・ディク(日立物流)がペースメーカーを務めた。そこに序盤から坂東悠汰(法政大~富士通)がぴったりとつき、伊藤もそこに続く。田澤は第2集団の後方から様子をうかがった。ほどなくして伊藤が第2集団に吸収され、ディク、坂東とそれ以外の選手、という形になった。7000mをすぎ、茂木圭次郎(拓大一高~旭化成)が集団から抜け出し、一気に先頭に。田澤は次第に第2集団前方に上がり、ラスト1周でスパート。後続を引き離し、2位でダブルピースをつくってフィニッシュした。

27分台の手ごたえはある

この日は横浜市の慶應義塾大学日吉陸上競技場で10000m記録挑戦競技会も開催されていた。そちらにも駅伝主将の中村大聖(4年、埼玉栄)や中村大成(同、東北)、山下一貴(同、瓊浦)らの主力が出場していたが、大八木監督の姿はここ八王子にあった。レース後、田澤とがっちり握手した監督は「予定通り」と笑顔だった。「来年の日本選手権のために、28分20秒(参加標準記録)を切っておきたかったから、春先のために。やろうと思えばもっと前の方でやれたけど、ちゃんと落ち着いて後半まとめてきた」。教え子の快走に上機嫌だった。

どこまで進化するのか。これからも田澤の走りから目が離せない

田澤の表情も充実感にあふれていた。全日本大学駅伝後の疲労について聞かれると、「ありません。しっかり(疲労を)取ってここに合わせてきたんで」とサラリ。「来年の日本選手権で5000mも10000mも両方(出るの)は難しいかもしれないんですけど、どっちも選べるようにしておきたかったんで」。すでに5000mの参加標準記録は切っているため、この日で、その目標は達成された。27分台の手ごたえはありますか? との質問には「そうですね、次あたりは狙っていきたいです。余裕持っていけたので。ラストは一人で引っ張ってちょっとキツかったんですが、あれがなかったら(28分)一桁はいけたかな」。そしてもう1度「(27分台の)手ごたえはあります」と口にした。

このあとは箱根駅伝前の合宿で、30km走などをこなして仕上げに入っていく。箱根はどうですか? 「楽しみです。けっこう自信あるんで、自信を力に変えて。出雲、全日本もうまくいってるんで、箱根もうまく走って1年間終わりたいです」

自信に満ち、どこかワクワクする雰囲気すら漂わせる1年生。箱根ではどの区間を走りたいという希望はないそうだ。正月の箱根路、彼の姿はどこにあるだろうか。

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