大学アメフト

特集:第74回甲子園ボウル

立命アメフト荒尾亮汰 関学に終わらされてきた過去3年、最後こそやり返したる

立命の荒尾(左)は昨年の西日本代表決定戦で関学に負け、泣き崩れた(撮影・篠原大輔)

アメフト甲子園ボウル西日本代表決定戦

121日@大阪・万博記念競技場
立命館大(関西1位)vs  関西学院大(同2位)

アメリカンフットボールの全日本大学選手権は残り3試合になった。121日に東日本と西日本の代表決定戦があり、勝者同士が1215日に選手権決勝の甲子園ボウルでぶつかる。西日本代表決定戦は4年連続で関西学生リーグ最終戦の再戦。リーグ戦では立命館大が18-7で関西学院大に勝っている。夏のけがの影響で欠場が続き、リーグ最終戦で戦列に復帰した立命のDB荒尾亮汰(4年、関西大倉)は1回生から試合に出て、ずっと関学に負けてシーズンが終わってきた。「今年こそ自分のプレーで勝利に導きます」と、心を燃やしている。

逆転のキックを決められ、泣き崩れた日から1

昨年122日の西日本代表決定戦。関学が試合残り2秒からの「逆転サヨナラフィールドゴール」で甲子園ボウルへの切符を手にした。その瞬間、万博記念競技場の天然芝の上に崩れ落ちた立命の13番の姿を、いまでもよく覚えている。最後まであきらめずにキックをブロックしにいったが、届かなかった。「いままで、あんなに悔しいことってなかった。3年間試合に出続けて、毎年最後は関学に負けてきました。ほんまに悔しい思いばっかりです」。負け続けてきた大学生活を振り返るとき、荒尾の表情が、ゆがむ。 

立命の荒尾はリーグ最終戦の関学戦で戦列に戻ってきた(撮影・篠原大輔)

身長183cm、体重82kg。恵まれた体格の荒尾はDBの中でもWRとの11の勝負が多くなるCB(コーナーバック)だ。「マンツーマンが得意で、この身長でマンツーができたら、片側サイドを締められる。それが自分の武器だと思ってます」。フィールドの両端でWRとの戦いを繰り返すCBの能力が優れている場合、オフェンスはそのCBがいるサイドにはパスを投げてこない。「片側サイドを締められる」とはそういう意味だ。しかし、けがからの復帰戦となったリーグ最終戦の関学戦は、そこそこ狙われた。「こないだはやられたと思ってるんで、次は自分のプレーで勝利に導きます」。荒尾は言った。

関学の4回生の意地を見せつけられたあの日 

立命という強豪チームにあって、荒尾は1回生からCBとして試合に出てきた。彼が関学の恐ろしさを思い知ったプレーがある。20161120日。立命と関学が6戦全勝同士で迎えた関西学生リーグ1部最終戦だ。その前年の甲子園ボウルに出た立命は、0-13で試合を折り返した。第3クオーター7分すぎ、関学の自陣31ydからの第1ダウン10yd。荒尾はディフェンスから見て右のCBだった。関学のプレーはいったん左へ展開して、荒尾の方へ戻ってきた。「リバース」と呼ばれるトリックプレーの一つだ。WRがボールを持って荒尾サイドのオープンへ走ってきた。そして関学QBの伊豆充浩(当時4年、箕面)がリードブロッカーとなり荒尾をブロックするべく向かってきた。 

関学との最後の戦いを前に記者会見で語った荒尾(撮影・安本夏望)

まさかQBがハードにブロックしてけえへんやろ。軽く触られるだけや。そう思った荒尾は「俺が伊豆さんの下にもぐったろ」と考えた。しかし、伊豆はけがなど一切恐れることなく、すごい勢いで体を投げ出し、荒尾のひざ元に飛び込んで来た。伊豆にブロックされた荒尾はWRをタックルできず、69ydのタッチダウンランになった。これで0-20になり、大勢は決した。伊豆の捨て身のブロックを、荒尾は忘れたことがない。「あのときに関学の4回生の意地というか、ほんとの恐さを一番感じました。気持ちの入ったヒットでした」

 陸さん、見といてくれ

そして荒尾は、あのときの伊豆と同じ4回生になった。ずっと関学に甲子園ボウル出場を阻まれて、4回生になった。いま頭に思い描くのは、去年負けた西日本代表決定戦で、4回生らしいプレーを見せてくれた先輩の姿だ。

いま留年して立命のDBコーチを務める松山陸(鳥羽)。松山は去年の122日、関学QB奥野耕世(当時2年、関西学院)のパスを2度奪い、1度はリターンタッチダウンにしてみせた。負けはしたが、4回生としての底力が出た活躍だった。荒尾は、いい笑顔で言った。「陸さんは親切にアドバイスしてくれます。ほんとに頼りにしてる人です。去年は陸さんが2インター(セプト)したんで、次は自分が3インターして勝ちます」

 悔しさにまみれてきた関学との戦いも、これが最後。
立命の13番が、パンサーズでの4年間すべてをぶつける。

立命館大学パンサーズ全員の思いがこれだ(撮影・安本夏望)

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