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特集:東京六大学 2020真夏の春リーグ

法政大野球部・青木久典監督「条件はどこも一緒。どう過ごすかが試されている」

東京六大学 2020真夏の春リーグ
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試合中、選手に激励を送る青木監督(右)2019年10月(撮影・杉山圭子)

3月までは感染対策を徹底した上で練習やオープン戦を続けていた法政大野球部。チームはいい形で出来上がっていたが、4月7日より活動を休止している。2018年秋に優勝に導いた青木久典監督に5月下旬に延期された春のリーグ戦のことや、休止期間中に選手に望むことなどを聞いた。

気がかりは最終学年となる4年生

「4年生…4年生ですね」。1回戦総当たり制になる春のリーグ戦について尋ねると、青木監督はこう切り出した。そして言葉をつないだ。「裏方でチームをサポートしながら、一生懸命に練習に取り組んできた4年生は、できるだけ春のリーグ戦に出したいと思っていました。それによって野球継続の道が開ける可能性もありますし、一般企業の就活での強みにもなりますからね。ですが1カード1試合になると、その分、出場チャンスも減ってしまうので……。仕方がないことですが、学生ラストイヤーになる4年生のことを思うと残念なところはあります」

在学時に副主将だった青木監督は、(リーグ優勝最多タイを誇る)法政の野球部に入ったなら、法政でやっていたと胸が張れる「証」を持って卒業してほしいと思っている。「頑張ってきた4年生にはたとえ1打席でもいいからチャンスを与えたい」とするのはそのためでもある。「リーグ戦で自分の名前を刻めれば、社会に出てからの励みになりますし、親になった時に子供に自慢できますからね(笑)」

どんな状況でも自分を磨き続ける

2018年秋以来のリーグ優勝を目指す法政は、3月末まで順調に練習を進めていた。対戦校が自粛したことから中止になった試合も少なくなかったが、オープン戦はA戦だけで20試合近く消化。チームの仕上がり状態は良く、青木監督も手応えを感じていた。ただし通常練習の際には感染対策を徹底したという。「朝晩の検温、手洗い、アルコール除菌、マスクの着用と、基本的なことですが、部員全員が自覚を持って取り組みました。集団生活ゆえ、絶対に1人も感染者を出してはいけないと、神経質過ぎるほどに気を遣いましたね」

現在3年の三浦銀二(福岡大大濠)は、1年時から活躍した(2018年10月、撮影・杉山圭子)

しかし4月に入ってからは全国の感染状況の悪化を踏まえ、自主練習に。7日に7都府県に対する緊急事態宣言が発令されると活動休止を決めた。今は不要不急の外出を控えつつ、個人でできるランニングやスイングなどで身体をなまらせないようにするのが精一杯だ。だが、こうした状況に意識高く向き合うことが重要だと青木監督は考えている。

「練習ができない、練習する場がない、という事情は他大学も他競技も同じだと思います。それでも家にいてもトレーニングはできるし、試合のDVDを見ながら分析や研究もできる。この機会に学業を進めてもいいわけです。要はいかにこの時間を有効に活用できるか。それが試されているのだと思います」

どのチームもどの選手も条件は一緒。法政は「いま」という現実を受け入れた上で、自分と対話しながら、来たるリーグ戦に備えている。どんな状況でも自分を磨き続ける。それは野球界に数多くの人材を輩出している「名門」の矜持(きょうじ)でもある。

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