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特集:東京六大学 2020真夏の春リーグ

目覚めるか大器、自粛期間を転機にした「法政の4番」村田雄大

東京六大学 2020真夏の春リーグ
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東大戦の4回無死1塁、右越えに先制2点本塁打を放つ村田雄大(撮影・すべて朝日新聞社)

東京六大学野球春季リーグ戦第2日

8月11日@神宮球場
法政大 6-3 東京大

歴代強打者が名を連ねる「法政の4番」を今季は最終学年を迎えた村田雄大(横浜)が任された。非凡な長打力など期待をかけられながら法政大学入学後は実績を残せなかった。新型コロナウイルスの感染拡大による活動自粛期間が一つの転機となり、東京六大学野球春季リーグ戦の東京大学戦(11日)で豪快な本塁打を放つなど大器覚醒の予感をみせている。

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「ほっとしています」初安打が本塁打

「打った瞬間に自分の中で確信が持てた、いい打球だったと思います。初めて1本が出て、ほっとしています」

東大戦の4回に出たライトスタンドへの先制ツーランの感触を、村田は笑顔で話した。これが村田にとってリーグ戦初安打でもあった。初戦の緊張感から硬さの抜けない法大ナインにとって、緊張を解き放つ4番の一発になった。主砲の一振りがチームに勢いをつけ、この回さらに2点を追加した。本塁打と同じくらい大きかったのが、5回1死三塁からの犠飛だろう。きっちりと役目を果たした。

小、中学生で活躍、横浜高では4番

第98回全国高校野球選手権2回戦で中犠飛を放つ横浜高の村田

村田は小6のときにベイスターズジュニアに選ばれ、中学時代に所属した世田谷西リトルシニアでは全国優勝を経験している。横浜高では1年秋からレギュラーを獲得し、3年夏には4番を打ち夏の甲子園に出場した。2回戦で履正社高(大阪)に1-5で敗れたが、1回に犠飛で先取点を挙げた。横浜高時代のチームメートには、藤平尚真(東北楽天ゴールデンイーグルス)、公家響(明治大4年)、石川達也(法政大4年)、増田珠(福岡ソフトバンクホークス=1学年下)、万波中正(北海道日本ハムファイターズ=2学年下)らがいた。

華々しい実績を引っ提げ法大の門をたたいたが、厚い選手層に圧倒された。1、2年のうちはリーグ戦に出場できなかった。大学3年の春にリーグ戦で2試合に出場したが、3打数無安打に終わった。3年の秋はベンチを温めた。

「自粛期間、大学生で一番バットを振った」

この4月から5月、全体練習自粛期間中の猛練習で村田は4番の座をつかんだ。「自粛期間は自分にとってプラスになったと考えています。みんながやれていないとき、いかに自分が努力するか。それが大事だと思ったので、人に負けないぐらいバットを振りました。大学生の中で自分が一番バットを振ったんじゃないかと言えるぐらいの自信があります」。村田は言い切った。

グラウンドが使えない間は河川敷でバットを振った。打撃の感覚を忘れないために、バッティングセンターで時間を忘れて打ち込んだ。「量とか時間とかを決めずに、もう限界だっていうところまで振り込みました」。身長185cm、体重95kgと均整のとれた体を追い込んだ。7月、ようやくスタートしたオープン戦で、村田は結果を残した。

「村田はオープン戦で結果をしっかり出したので、自分で勝ち取った4番の座です。飛ばす能力があって、練習も人一倍、人二倍やる男です。4番を任せられる男だと思って、彼に託しました。でも、本当はもうちょっと早く出てきてほしかった(笑)」と青木久典監督は村田の成長を喜ぶ。

3年間なかなか出場機会を得ることができず、悔しくて心が折れそうになったこともあったという。そんなときに支えになったのは、両親や中学・高校時代の監督、コーチの方々の応援だった。「周りの方々がすごく応援してくださっていて、その期待を裏切ってはいけない、自分に負けてはいけないと思いながら練習を続けてきました」

東大戦の4回に本塁打を放ち三塁を回る村田

稲葉篤紀(侍ジャパン監督)、副島孔太(元ヤクルトほか)、阿部真宏(西武コーチ)、後藤武敏(楽天コーチ)、中山翔太(ヤクルト)……「法政の4番打者」といえば、そうそうたる名前が並ぶ。「法政大の4番をやられてきた方々のことを考えると、とても重責を感じますので、それはあまり考えないようにして、自分は自分らしさをこれからも出して、勝負強いバッティングができたらいいなと思います」

昨秋のリーグ戦、法大は開幕から6連勝したが、4カード目、慶大に連敗し優勝を逃した。4番・村田のバットが3季ぶりの覇権奪回へカギを握っている。

 

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