大学ラグビー

明治大学ルーキー・池戸将太郎が司令塔デビュー 開幕戦でマン・オブ・ザ・マッチ

明治大学の10番を背負って開幕戦で先発した池戸将太郎(撮影・すべて斉藤健仁)

関東大学対抗戦Aグループ

10月4日@東京・明治大学グラウンド
明治大(1勝)73-15 立教大(1敗)

10月4日、関東大学ラグビーが開幕した。昨年度、明治大学は対抗戦で全勝優勝したが、全国大学選手権ではライバルの早稲田大学に決勝で敗れ涙を飲んだ。今シーズン、王座奪還を目指すチームの司令塔を、いきなり1年生のSO池戸将太郎(東海大相模)が背負った。

山沢に代わり抜擢

4年生SO/FB山沢京平(深谷)が春に手術し、まだコンディションが戻っておらず、試合に出られない影響もあったことは間違いない。ただ自ら声をかけて入部を誘った、元日本代表SHの田中澄憲監督は、開幕の立教大学戦から身長180cm、体重86kgの池戸を10番に抜擢した。

「キックやパスといったスキルには自信がある。先輩たちばかりがいる中で、どれだけゲームが作れるかみてほしい」という池戸本人の言葉通り、紫紺の10番は上級生に交じってもまったく遜色ないプレーを見せて、ゲームをコントロール。左右の難しい角度も含めてゴールキック8本を沈めて、73-15と快勝に貢献してマン・オブ・ザ・マッチにも選出された。

難しい角度からのゴールキックも決めた

池戸は初戦で王座奪還の力になりうる力をもっていることを証明したと言えよう。ただ田中監督は池戸に対して及第点を与えることはなかったが、「良かったんじゃないですか? パニックにならず落ち着いてできていた。勉強になったし、いい経験になったのでは」と評した。

「もっとできたはず」

キックパスのミスなどもあり池戸本人も「もっとできたはず」と感じていたようで、「プレッシャーがかかることが多くて判断ミスが出たのが課題です。間合いの取り方や状況判断など、強度が高い中でできるよう、練習からしっかりやって次の試合でもチームを勝利に導けるように頑張ります」と反省点を口にした。

池戸は、父・成記さんが筑波大のロックなどで体を張る選手で、高校の教諭として指導者として活躍していたこともあり、小さい頃からラグビーが身近にあった。テレビやトップリーグで父とラグビーを観戦するうちに自然な流れで小学校1年生の終わり頃、八王子ラグビースクールで競技を始めた。

高校は東海大仰星で花園を制している高校ラグビー界の名将のひとり土井崇司氏に誘われたこともあり、神奈川の東海大相模に進学する。「今、強いところに行ってもそんなに面白くはないかな。桐蔭学園を倒したいという気持ちを持った」と話す。

東海大相模では「打倒・桐蔭」を果たせなかった

1年時はSHでもプレーし、2年時からはSOとして専念し、土井コーチの下で「考えるラグビー」を大いに学んだ。だが高校時代は一度もSO/CTB伊藤大祐(早稲田大1年)のいた桐蔭学園に勝つことはかなわず、花園(全国大会会場)の地を踏むこともできなかった。「そりゃもう、悔しかったですね。今は意識しませんが、いつかは大学で(伊藤)大祐に勝ちたいですね」と振り返った。

池戸はそのまま東海大学に進学しようかなと思っていた矢先、高校2年の終わり、明大に誘われた。「梶村(祐介/サントリー)さんの代のチームが好きだったし、一昨年度優勝したし、自分がどれだけやれるか試してみたかった」と進学した。

入学当初は、同期の1年生は花園に出場した選手で「最初は若干意識しましたが、チームメートだから関係ない」と思うようになったという。また父親から「上下関係が厳しい」と聞いていたが、実際に入ってみると「ガチガチな上下関係はなくて過ごしやすい」と感じている。また寮の近くにグラウンド、ウェートルームがある「ラグビーに集中できる」好環境もあり、ベンチプレスは高校時代を上回る117.5kg上がるようになった。

特に好きな選手や憧れている選手はいないが、元日本代表SO小野晃征(宗像サニックス)や南アフリカ代表SOハンドレ・ポラードらのプレーを見ては「いいところを真似ている」日々だ。

課題はコンタクト

現在の課題はコンタクトエリアである。大学で相手のレベルも上がっており「ディフェンスで、どれだけ上のレベルでできるか。タックルの入り方など課題を克服しないといけない」。また現在は、ほぼSOしかプレーできないため、CTBやFBでもプレーできるようになって幅を伸ばしたいという。

「王座奪還に貢献したい」と頼もしい池戸

ただ、池戸は自ら置かれている立ち位置も十分に理解している。「(山沢)京平さんがいなくてチャンスがもらえましたが、戻ってきても、まだ10番で出続ける力はない。京平さんがいない間に、どれだけ伸ばせるかチャレンジしたい」と練習からのアピールを続ける。

好きな言葉は、東海大相模の三木雄介監督に教えてもらった「ブルーヘッド、ヒートハート」。つまり頭は冷静に、心は熱く、である。

「将来はトップリーグでプレーしたい!」と熱く語った池戸は1年生司令塔として「できれば、王座奪還には貢献したい。今シーズンは(キャプテンの箸本)龍雅さんや京平さんといったテレビで見ていた先輩たちからいろいろ吸収し、自分の能力のすべてをアップしたい」と冷静に先を見据えた。

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