陸上・駅伝

山梨学院大、大幅自己新連発で箱根路復帰 連続出場が途切れた悔しさをバネに

前回、17位で悔し涙を流した山梨学院大は、7位でリベンジを果たした(すべて代表撮影)

第97回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会

10月17日@陸上自衛隊立川駐屯地周回コース(21.0975km)
7位 山梨学院大学 10時間30分50秒

前回の箱根駅伝予選会で山梨学院大は17位に沈み、初出場から続いていた連続出場回数が33で止まった。「絶対戻るぞ」という強い気持ちで練習に取り組み、今年の予選会では多くの選手が自己ベストを更新。チーム力の底上げで、7位という結果をたぐり寄せた。

自己ベストで走ったエースの上に4人も

レースは拓殖大のジョセフ・ラジニ(2年、オファファ・ジェリショ高)たち留学生の集団を先頭にして進み、山梨学院大のポール・オニエゴ(3年、モゴンガ高)は第2集団の中にいた。15km過ぎには追い上げてきた選手も加わり、第2集団は15人ほどの大きな集団に。「みんなで予選通過を」とこのレースにかけてきたオニエゴは、チームトップの19位、1時間2分7秒の記録でゴール。他のチームメートも設定タイム以上の走りを見せ、チーム内12位の選手も自己ベストを更新した。飯島理彰監督は7位という順位に対し、「我々よりも上にいったチームがさらに素晴らしい走りをした、という結果だと思います」と持てる力を出し切った選手たちをたたえた。

ただ、飯島監督からは「キャプテンの森山以外」という言葉があった。森山真伍(4年、樹徳)は普段の練習からチームを牽引(けんいん)し、今年に入ってから5000mで13分46秒76、10000mでも28分28秒30と自己ベストを更新。今大会でもチームトップの走りが求められていた。しかし飯島監督の目には森山の走りがいつもよりも大きく見え、意気込みすぎているように感じられたという。

森山(230)も自己ベストタイで走ったが、それを上回る選手がチーム内に4人もいた

森山は夏合宿に入ってすぐにシンスプリントを痛めてしまい、1~2カ月はチーム練習から外れていた。その後はまたチームメートともにこの予選会に向けて練習を継続。予選会では日本人トップを目標に、前半から攻めた走りを心がけたが、それが力みになったのかもしれないと振り返る。

森山は苦しみながらも自己ベストと同じ1時間3分6秒、74位でゴール。チーム内では5位だった。「今までのチームのベストタイムが自分の63分6秒だったけど、それを上回った選手が4人もいて、4人とも62分台。チームの成長を感じました」。自分のタイムに悔しさを感じながらも、それ以上の走りを見せた仲間、自分のすぐ後ろから続々とゴールする仲間の姿を見て、「連続出場を逃した悔しさを1年間バネにしてやってきて、それまでの努力が報われた気がしてうれしかったです」と笑顔を見せた。

14人目の選手も調子は良かった

箱根駅伝予選会には14人までエントリーができ、出走は10~12人と定められている。今回、山梨学院大からは14人エントリーし、12人が出走した。ボニフェス・ムルア(2年、マチャコス高)はその14人からは外れていたが、夏に1カ月ほどトレーニングができない時期があったため、今レースを回避させたという。また、前回の箱根駅伝で関東学生連合チームとして9区を走った渡邊晶紀(3年、藤枝明誠)も14人から外れていた。出走した12人は「レース前にしっかり走れている」という観点から選ばれたが、外れた2人も調子は良かったと飯島監督は言う。

断固たる決意で臨んだ箱根駅伝予選会で大きな自信を得た山梨学院大は、11月1日、3大会ぶり31回目となる全日本大学駅伝に臨む。

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