2年ぶり箱根駅伝出場を決めた城西大学 「攻めの走り」で駅伝シーズンを戦う
第97回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会
10月17日@陸上自衛隊立川駐屯地周回コース(21.0975km)
3位 城西大学 10時間29分37秒
10月17日の箱根駅伝予選会で城西大学は3位となり、2年ぶりに箱根駅伝の出場権をつかんだ。チームでは主将の菊地駿弥(4年、作新学院)が8位(日本人4位)の快走。上位10人が1時間3分台で走り切り、「一番の目標」と決めていた予選会通過を達成した。
「確実に通過しよう」一つにまとまった選手たち
城西大は2004年の第80回大会で箱根駅伝に初出場してから2019年までの16年間で、2017年の第93回を除く15回出場。2019年年始の第95回大会で総合20位に終わった後、10月の予選会では15位となり本戦出場を逃した。今年は「確実に予選会を通過しよう」という思いでチームは一つになっていた。
冷たい雨が降り続く自衛隊立川駐屯地。無観客、駐屯地内約2.6kmの周回コースでの開催とすべてが例年と異なる状況だったが、選手たちは冷静に自分のレースに徹した。櫛部静二監督は力のあるエース格の菊地、菅原伊織(4年、國學院久我山)、砂岡拓磨(3年、聖望学園)にはそれぞれ自分のペースで走るように指示を出し、それ以外の選手たちには「本意ではないが」固まっていくように、と指示を出していた。結果的に菊地が1時間1分45秒(8位)、砂岡が1時間1分52秒(13位)、菅原が1時間2分06秒(18位)と上位に入り、チーム4位から10位の選手は1分3秒以内にすべての選手がゴールするというまとまりを見せた。
櫛部監督はレース後、率直な気持ちとして「ホッとしている」と口にした。レース中は昨年敗退した記憶がよぎったりもしたという。前回の予選会では試合に調子を合わせきれていない部分があった。11月に新チームになってからは、予選会を見すえて距離に対しての不安感を取り除くべく、継続的に走り込みなどの取り組みをじっくりやれてきたことが結果に結びついたと取材に回答した。
日本人4位に菊地「70点のレース」
菊地もまた「自分だけじゃなく、チーム全員がほっとしたと思います」と素直な気持ちを答えた。この予選会通過を一番の目標としてきたが、結果として「通過」があるのではなく、「通過するためにどうするか」を積み重ねて準備してきたという。
菊地は15kmすぎから日本人先頭集団についた。はじめはペースが速くなることを予想。後半勝負を意識し、落ち着いて走ることができた。今年から「1番がほしい」という気持ちで競技に取り組んでいるといい、日本人トップを目指して走っていた。
「最後ロングスパートにしようか、短いところで出ようか迷ってました。まわりの集団の様子をうかがった時にきつそうだったのでロングスパートで仕掛けたんですが、残り200mぐらいで一気に(体が)動かなくなってしまって勝ちきれませんでした。勝ちきれなかったところが不安というか、レースの反省点ですが、『こういうところで我慢しなきゃいけないんだ』とかいろいろつかめたところがあるので、レースとしては70点ぐらいだったと思います」
4年生全員で声がけを意識
昨年10月に箱根駅伝予選会で敗退、その翌週に全日本大学駅伝があり、1つ上の代は引退となった。そこから主将としてチームを引っ張ってきた菊地だが、意識してきたことは「言葉と力の両方で引っ張っていく」ことだ。レースだけでなく食事の面など、折に触れて後輩に声をかけるように心がけてきた。それは菊地だけでなく、今年の4年生みんなで意識してやってきたことだという。「『速い人が速いんじゃなくて、勝った人が速いんだよ』と伝えてました。みんなにはもっとチャレンジしてほしいと話してました」
2週間後には全日本大学駅伝がある。箱根本戦と合わせ、菊地は「そこで結果を出していきたいのが本音、日本人で1番を取りたい」と意気込みを口にした。櫛部監督は「ハーフを走っているのでそのダメージを考えないといけないので、なかなか難しい」というが、前半区間に力のある選手を配置し、駅伝をしっかり形作れるようにと考えているという。「城西らしい攻めの走りをしたい」とも口にした櫛部監督。昨年は1区で荻久保寛也(現ヤクルト)が区間賞、菅原が3区2位と健闘した。予選会の勢いのまま、伊勢路でも好走なるか。