陸上・駅伝

特集:第52回全日本大学駅伝

各校監督の優勝予想はどの大学? 全日本大学駅伝監督アンケート

3強になると答えつつもチーム力の充実に自信をにじませる青学・原晋監督(写真は昨年の全日本大学駅伝監督会見。撮影・藤井みさ)

11月1日に開催される第52回全日本大学駅伝。出場25校が8区間106.8kmを走り、日本一が決まる。全日本大学駅伝事務局が事前に行ったアンケートの中から、各大学の監督が予想する優勝校について紹介する。

優勝予想トップは青山学院大学

質問は「優勝候補はどの大学と見ますか、その理由は」。自由記述のため複数校を回答したものもあった。

優勝予想として具体的に名前が上がったのは東海大学、青山学院大学、駒澤大学の3校。中でも青山学院大学の名前を挙げたのは10校の監督にのぼった。その理由としては「5000m~ハーフまですべての対応力が高く、学年ごとにエース格の選手を控えている」(山梨学院大・飯嶋理彰監督)、「選手の大会での結果とチームの総合力」(東京国際大・大志田秀次監督)など、駅伝力、総合力を評価する声が多かった。「優勝して当然の戦力である」(帝京大・中野孝行監督)という声も。

箱根駅伝で盤石の強さを見せた青山学院大は、「駅伝力」「総合力」が評価されている(撮影・藤井みさ)

青山学院大学の今大会のエントリーは4年生6人、3年生3人、2年生4人、1年生3人。昨年ルーキーイヤーながら3大駅伝にすべて出場、出雲2区区間賞・全日本大学駅伝2区5位・箱根駅伝2区5位と好走した岸本大紀(2年、三条)は外れたが、岩見秀哉(4年、須磨学園)、神林勇太(4年、九州学院)、𠮷田圭太(4年、世羅)、飯田貴之(3年、八千代松陰)、湯原慶吾(3年、水戸工)ら3大駅伝の経験者は豊富。昨年の全国高校駅伝のエース区間・1区10kmで区間賞を獲得したルーキーの佐藤一世(1年、八千代松陰)など新戦力も期待できる。

「全日本に強い」駒澤大学

次に多く名前が上がったのは駒澤大学。昨年まで51回行われた全日本大学駅伝で最多12回の優勝の実績は強い。「エースの存在感があり、戦力が整っており、全日本大学駅伝は強いから」(順天堂大・長門俊介監督)、「エースの田澤君やルーキーの鈴木君をはじめ、実力者が揃っているため。大八木監督の豊富な経験と采配にも期待したい」(信州大・三条俊彦監督)など、選手の力と実績をともに評価する声が目立った。

優勝を狙う駒澤大・大八木監督。実績を評価する声が目立った(撮影・安本夏望)

駒澤大は1年生~4年生がそれぞれ4人ずつという均等なエントリーに。このうち昨年全日本大学駅伝を走ったのは伊東颯汰(4年、大分東明)、加藤淳(4年、西脇工)、小林歩(4年、関大北陽)、田澤廉(2年、青森山田)の4人だ。エース・田澤の活躍が目立つが、ルーキーの鈴木芽吹(1年、佐久長聖)や加藤も着実に実績を残している。また花尾恭輔(1年、鎮西学院)は夏のけがが響き日本インカレ5000mでは14位と苦しんだが、鈴木と練習をともにする実力のある選手だ。皆木晴(2年、駒大)も1年からAチームで練習するなど実力をつけてきた。同級生に刺激を受けて大学駅伝デビューとなるか。

昨年王者東海大学、2連覇なるか

東海大は「青学、駒澤、東海の3強」と他2校と合わせて名前が挙げられる傾向にあった。やはり昨年の優勝校ということで、勝負強さ、経験を評価する声が目立った。エントリーは4年生3人、3年生4人、2年生3人、1年生6人。4年生は塩澤稀夕(きせき、伊賀白鳳)、名取燎太(佐久長聖)、西田壮志(たけし、九州学院)の「三本柱」。彼ら以外に3大駅伝経験者は市村朋樹(3年、埼玉栄)のみだが、両角速監督は「戦力が整った」と自チームを評価している。

2連覇を狙う東海大学・両角監督は潔く自チームの名前のみを記入(撮影・藤井みさ)

名前を挙げられた大学の監督自身の予想はというと、東海大の両角監督は「東海大学」ときっぱり回答。青山学院大の原晋監督は「青山、駒澤、東海の3強」とし、その理由を「スピード・持久力ともに能力の高い選手が豊富」と記した。駒澤大の大八木弘明監督は「前年の上位校。層が厚いため」と具体的な校名を挙げなかった。3校とも優勝を目標に置き当日に臨む。

ちなみに具体的な校名を挙げず、「出場するすべてのチームに可能性がある」とした回答も。また、地方大からは「関東学連所属の大学」と関東との力の差を感じているコメントもあった。果たして名前が挙がった学校が優勝するのか、他の学校が栄冠をつかむのか。決戦の日まで2週間を切った。

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