「全員がエース」強さ見せる大東文化大バスケットボール部、インカレに挑む!
新型コロナウイルス感染症の影響により、今年度初公式戦となったオータムカップ2020。大東文化大バスケットボールは優勝にこそ届かなかったものの、1部準優勝の輝かしい成績を残した。
主要メンバーが抜けた穴も感じさせず
今年度は例年とは違い、どの大学も満足に練習ができていない。そのため今年度は「選手の層の厚さ」が試合結果に直結するように思えた。
大東大の今年度のチームには飴谷由毅(4年、富山工業)や昨年度ルーキーイヤーながらもチームの勝利に大きく貢献した中村拓人(2年、中部第一)や高島紳司(2年、北陸)が残っているものの、司令塔の中村浩陸(現大阪エヴェッサ)や攻撃の要を担っていたモッチ・ラミン(現さいたまブロンコス)、高木慎哉(現アースフレンズ東京Z)、後藤大輝(現新生紙パルプ商事)といったメンバーが抜けた穴は大きいのではないかと懸念された。
しかし、そんな不安を拭い去るかのように今年度初の公式戦のオータムリーグでは準優勝、確かな実力を見せつけた。新型コロナウイルス感染症の影響で満足に練習をできないのになぜ大東大バスケットボール部は強いのか? その秘密は自粛期間にあった。
力の秘訣はチームワーク
「それぞれでやれることはなんだろうか?」。これは新型コロナウイルス感染症で活動自粛を余儀なくされている期間に西尾吉弘監督が選手に与えた課題だ。この課題に選手たちは、肉体面はもちろん精神面について考えた。もちろん孤独に一人で考えるわけではない。
トレーニング時にはグルーピングをして、トレーナーに相談しやすい環境を作った。ときには学年別にZoomのミーティング、またあるときには「戦術」の落とし込みにみんなで取り組んだ。
活動ができない期間にそういった話せる機会を増やし、今年度のチームの基盤となる「チームワーク」を育んでいた。「ここでやっておけば差になるから一生懸命取り組みなさい」。そんな西尾監督の言葉にチームが賛同し行っていたからこそ、大東大は昨年度に劣らぬ実力を見せつけたのだ。
満足はしていない
準優勝した大東大だが、目標はあくまでも「優勝」。誰一人この結果に満足はしていない。試合後のインタビューでは、「(優勝した東海大との)力の差を感じました」と飴谷はコメント。やはり練習ができていないこともあり、「実力差」という大きな溝が顕著に出てしまった。
そんな実力差を埋める救世主は誰か。「注目選手はいますか?」「全員です」。そう、今年の大東大は全員がエースになりうる存在なのだ。
スター選手や絶対的エースがいるわけではない。目を引く派手なプレーを連発するわけでもない。しかしそれこそが「大東文化大学男子バスケットボール部」の魅力。チームは12月7日からスタートする第72回全日本大学バスケットボール選手権(インカレ)に挑む。