大学ラクロス

慶應、準決勝で立教に敗れる 清水珠理主将「悔しいけど後悔はない」

清水(中央)は1年生の時からこの代の立教に勝ちたいと思い続けてきた(すべて撮影・松永早弥香)

関東学生ラクロス特別大会女子1部 準決勝

11月21日
慶應義塾大学(C1位)4-6 立教大学(D1位)

11月21日、関東特別大会女子1部の準決勝が行われ、慶應義塾大学は昨シーズンの全日本大学選手権優勝チームである立教大学と対戦した。2桁得点で勝ち上がってきた立教に対して慶應は6失点にとどめたものの、攻めきれないシーンが続き、4-6で敗れた。「実力差を覆せる以上のものを出せなかった」と大久保宜浩ヘッドコーチ(HC)は悔しさをかみしめた。

オフェンスで真っ向勝負

今シーズンは新型コロナウイルスの影響で全日本大学選手権が中止となり、リーグ戦も特別大会として開催されている。関東女子1部は4ブロック戦(原則3チームブロック)で各チーム2試合が組まれ、各ブロックを勝ち上がった4チームが準決勝に進んだ。ブロック戦において、立教は明治学院大学戦で16-3、早稲田大学戦で17-1と大量得点で勝ち上がっている。一方、慶應も青山学院大学戦で10-1、学習院大学戦で12-6とオフェンス力の高さを見せつけた。そんな両チームの戦い、慶應は「10点とった方が勝つ」と考え、真っ向勝負で挑んだ。

開始早々、慶應の秋山雅望(1年、桐蔭学園)が先制点を挙げる。しかし第1クオーター(Q)の内に立教が連続得点で1-2とリードし、第2Qへ。第2Qでも慶應の山本真菜美(2年、同志社)が早々に決め、試合を振り出しに戻す。慶應はこの勢いで攻めに出ようとするが、ミスからボールを奪われるなど、立教にボールを支配される時間が続く。その間に立教は大川祐季(4年、日大)が連続で得点し、2-4と差を広げた。

オフェンス力の高い立教に対し、慶應は堅い守りを60分貫いた

第3Qも立教リードで試合が進む。時間を使って切り崩そうとする立教に、慶應はゾーンディフェンスで守りを固める。開始3分で立教に点を奪われるが、試合再開のドローから一気に攻め、慶應の秋山が2点目となるシュートを決める。その後も攻められるシーンが続いたが、失点を1点にとどめた。第4Q、慶應はプレッシャーをかけてボールを獲得し、何度も立教ゴールをおびやかしたが、3-6のまま試合終了となった。

この代の立教に勝ちたかった

試合後、涙する慶應チームメートの横で慶應主将の清水珠理(4年、慶應)は、「私たちの試合はこれで終わったけど、まだ下級生の試合もあるし、最後まで今シーズンをやり抜きましょう」としっかりと口にした。ただその後、ひとりうつむいて動けなくなってしまった。

「ただただ悔しくて、自粛期間中から全員がこの特別大会で何ができるかを考えてやってきて、自分も絶対無駄にしないように、ここで勝つためにやってきました。1年生の時からこの代の立教に勝つんだって思ってやってきたのに、それを達成できなかったことがすごく悔しくて、その思いがこみ上げてきてしまって……」

清水(右端)は悔しい気持ちを押し殺し、応援してくれたチームメートに感謝の気持ちを伝えた

昨シーズンも慶應は準決勝で立教と対戦し、6-11で敗れ、当時の4年生は引退となった。だからこそ今年は勝ちたいという思いが強かった。

自粛期間中も「トップ」を目指す意識は変わらず

今シーズン、慶應は新型コロナウイルスの影響で3月頭から練習ができなくなり、練習を再開できるようになったのは6月下旬になってからだった。全日本大学選手権が中止になり、目指していた日本一に届かない悔しさがありながら、「今自分たちが挑戦できる中でのトップを目指そう」とモチベーションを下げることなくみんなで気持ちを高め合ってきた。

試合や練習ができなくなった中で新たに取り組んだこともある。そのひとつが地域の小学生にラクロスを教えること。「地域の方々に恩返しではないですけど、自分たちができることってまだまだあるよねって思いながら計画してきました」と清水は言う。自粛期間中にプランを立て、来シーズンから実施する予定だ。そんな学生たちの姿に触れ、大久保HCは「やれることの価値を新たに見つけられた年だったのかな。この年の割には色々できたんじゃないかなと思っています」と評価している。

試合がなくなり練習ができなくなった中でも、今できることを一人ひとりが考え行動してきた

清水自身、オフェンスのひとりとして最後まで勝ちきれなかった悔しさはあるものの、後悔はないと言う。「勝ち負けだけが全てではないです。この1年、もっと言うと大学4年間が終わった時に何を自分が得られるのか、後輩たちにはそれをしっかり考えて一日一日を大切にしてほしい思っています」

限られた環境の中で迎えたラストイヤーだったが、やり切ったと思えたからこそ、悔しさの中でも前を向けるのだろう。

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