帰ってきた日本大学バックスカルテット、再び日本一へ13日に関西学院大学戦
アメリカンフットボールの甲子園ボウル(12月13日、阪神甲子園球場)に日本大学が3年ぶりに戻ってきた。2017年はルーキーたちが躍動し、チームを27年ぶりの大学日本一に押し上げた。苦労を重ね最上級生になった彼らは再び甲子園で輝けるのか。相手は同じ関西学院大学だ。
3年前の甲子園、ルーキーで躍動
日大が23-17で競り勝った前回の対戦では、奪った3本全てのタッチダウン(TD)に主力で出場していた4人の1年生がそれぞれ絡んだ。第1クオーター(Q)はTDパスをQB林大希が投げ、このパスをレシーブしたのがWR林裕嗣だった。第2QにはRB秋元旻宰が逆転のTDランを決め、第3QにはRB川上理宇のTDランで突き放した。
2年春の関学との定期戦からリーグ降格などを乗り越え、たくましくなって帰ってきたバックスカルテットに3年前を振り返ってもらい、最後の甲子園への思いを聞いた。
「『来ちゃったな』という感じでした」
RB川上理宇(かわかみ・みちたか、佼成学園)
◆ルーキーの甲子園
「あのときは、『来ちゃったな』という感じでした。試合前にスタメンのRBとして呼ばれ、正直、「本当に自分でいいのか?」という思いもありました。試合はチームが支えてくれてTDも取れたし、貢献はできたけど、自分がやりたいフットボールは全然できなかった、させてもらえなかったという心残りもある試合でした」
◆最後の甲子園
「4年になって、やっと甲子園の舞台にもう一度立つことができるっていう、達成感と安心感みたいな感じがあります。今回は、自分の活躍や納得感というよりも、何よりもチームの勝利を第一にプレーして、勝ちにつなげられたらいいなと。それだけ思っています」
「明らかに向こうの方がレベル高い」
WR林裕嗣(はやし・ひろつぐ、佼成学園)
◆ルーキーの甲子園
「当時は関学に勝てるとかは全然思っていなくて、とにかく思い切りプレーしようということだけ考えていました。TDをとれたプレーは、練習では一度も成功しなかったんですが、当時コーチだった長谷川昌泳コーチ(現・立命大コーチ)に「絶対通るから」と言われてて、本当に決まりました。さすがだな、と思ったのを覚えています。試合中は、意外と緊張しなかったです。当時の4年生が必死に引っ張ってくれて、僕自身は伸び伸びとプレーできたかな、というのが実感として大きいですね」
◆最後の甲子園
「関西決勝の関立戦(関西学院大ー立命館大)も見て、明らかに向こうの方がレベル高いな、というのは正直あります。関東決勝も、いい試合はできたと思いますが、このままの自分たちだとダメダメなイメージしかないので、試合までの練習、取り組み次第かなと思っています。あとは高校の後輩が関学にいるので、特にDBの北川太陽(3年)や、同じポジションの梅津一馬(2年)には負けたくないなと思っています」
「先輩たちに連れて行ってもらった」
RB秋元旻宰(あきもと・みんじぇ、日大豊山)
◆ルーキーの甲子園
「フワフワしすぎて、そのときはポンポンってうまくいっちゃったな、という感じでした。1年生だったんで自分でシーズンを戦い抜いたって感じでもなかったですし。先輩たちに連れて行ってもらったなというのが正直なところで、『はい、じゃあ甲子園で試合やって』みたいな。僕としては関学に対して因縁もなければ、強い気持ちもあるわけじゃなかったですし、浮ついた感じもなく、ただ普通にフットボールをしてましたね。開いた穴を走ったらタッチダウン! みたいな感じでした。もちろん緊張も多少はしましたけど、ワクワク感のほうが大きかったです。『こんなお客さん埋まるんだ!』って。TDとった時は、めちゃくちゃうれしくて、カメラの前で『うわーっ』ってやっちゃいました。なんていうか、実感がないくらいうれしかったですね」
◆最後の甲子園
「今年は、とにかくハードな試合が多くて。でも相手によって何かを変えるとかじゃなく、本当に全部の相手に対して自分たちがやってきたことをやるだけっていう感じでプレーしてました。淡々と、今年のスローガンでもある『一戦必勝』って感じでなんとか勝ち上がってきて、最後に関学とやれるっていう。ずっと目指してきた甲子園ってことで、みんなも正直気持ちが入ってると思いますが、やることは本当に変わらないと思います。自分たちがやってきたことを、ただ出すだけですね」
「目標を達成できることってあるんや」
QB林大希(はやし・たいき、大阪府立大正)
◆ルーキーの甲子園
「1年でいきなり大舞台でむちゃくちゃ緊張しました。でも、そのときは勢いで思いっきりやるしかないっていうのと、あとはやっぱり『無知』っていうのは強みやったなと思います。怖いもの知らずみたいな。僕、小さい時からなんですが、人に見られてなんかやる時っていうのは、自分も想像していないパワーっていうのが出るんですよ、本当に。まさにそんな感じでしたね」
◆最後の甲子園
「ほんまに、『目標にしてきたことを達成できることってあるんや』って思いました。ずっとこの3年間、思い続けてきたんで。でもそういう時って、なかなかうまくいかんよなって、自分のなかでちょっと思っていたんです。正直、(けがした関東決勝で)自分が途中でベンチに下がる時には『マジか!』って思いましたね。やっぱ難しいんかなって。でもこうして甲子園が決まったんで、この3年間諦めずにずっと続けてきて、ほんま良かったなって思いました。甲子園では、全員フットボールで、日大の魂を見せたいなって思っています。正直、関学に対する気持ちとかは、僕自身そんなにないんですが。関学はすごく強いですし、ゲームの支配者っていうイメージはありますね。あと、日大が出る時、相手は関学っていうのは思ってるんで。『赤と青の空を楽しんでください』と皆さんに言いたいです」