陸上・駅伝

特集:第97回箱根駅伝

箱根駅伝連覇を目指す青山学院大学 原晋監督「『絆大作戦』で一体となり優勝を」

青山学院大学の箱根駅伝に向けたオンライン壮行会で連覇へ意欲をみせた神林勇太主将(写真提供:青山学院大学)

2021年1月2、3日の箱根駅伝で2年連続6度目の優勝を目指す青山学院大学が12月14日、学内からオンライン壮行会を開いた。恒例の作戦名を「絆大作戦」と公表している原晋監督は「今、大学では多くがオンライン授業になっている。学生との絆、大学全体が一体感を持てないのも事実。この駅伝を通して青山学院全体の絆を結びつける走りを部員全員で行っていきたい」などと決意を話した。

「大混戦、簡単には勝てない」

コロナ禍で各大学とも調整に苦労してきたが、「来年は大混戦が予想される。4連覇(2015~18年)、あるいは今年と違い簡単には勝てない情勢だ。しかし、1年間鍛え上げた学生たち信じている。一人ひとりの絆を持った襷(たすき)リレーで優勝を成し遂げたい」と続けた。

箱根駅伝チームエントリー発表・シード10校編 強豪校の注目選手は?

この後16人のエントリーメンバー一人ひとりが箱根への抱負などを語った。神林勇太主将(4年、九州学院)は「こういう状況下の中ですけど、箱根駅伝優勝という大きな目標だけを追いかけ続けて頑張ってきた。必ず最後は笑って終われるように力を出し切る」と力強かった。今年は9区で区間賞を獲得したが、「ずっと4年間、1区を走りたいと思っていたので、最後は1区でチームの優勝に貢献できたら、と思っている」と希望区間を挙げた。

「1年間、鍛え上げた学生たちを信じている」などと語る青学大の原監督

各選手が走ってみたい区間を挙げる中、同じ1区を希望したのは、唯一、1年生でメンバー入りした佐藤一世(八千代松陰)。昨年12月の全国高校駅伝で各校のエースが起用される1区で日本人歴代最高タイムで走り区間賞を獲得しており、「都大路のような走りをします」。今年の1区を任され区間7位だった吉田圭太(4年、世羅)は「最後の学生駅伝、自分自身が悔いなく笑って終わりたい。希望区間は往路」と言うにとどめた。今年は10区を任されて歓喜を味わった湯原慶吾(3年、水戸工)も「自分は1区で区間賞をとるような走りをして、チームの優勝に貢献したい」。

5区好走の飯田貴之「区間賞で貢献したい」

今年の5区で山登りを好走し、往路優勝のゴールテープを切った飯田貴之(3年、八千代松陰)は「戦える状態まで(調子が)上がってきた。過去2年、個人としては区間2位(19年8区、20年5区)と悔しい結果に終わっているので、上級生となり、区間賞で貢献したい。希望区間は昨年と同様で5区」ときっぱり。18年、19年と5区に起用された5年目の竹石尚人(4年、鶴崎工)も「希望区間は5区と8区」と話したが、上りが得意ではない松葉慶太(4年、浜松日体)は逆に「希望区間は5区以外」と笑わせた。

前回8区を走った岩見は唯一希望区間を口にしなかった(撮影・藤井みさ)

今年、ルーキーで「花の2区」を走って復活優勝に貢献した岸本大紀(三条)はエントリーを外れたが、登録された6人の2年生のうち4人が6区の希望を口にした。序盤の上りの後、山を一気に下りていく難しさはあるが、横田俊吾(2年、学法石川)は「下りが得意なので6区でいきたい」と語った。2年生残り2人は最後を希望し、中村唯翔(2年、流通経大柏)は「10区で2年連続の優勝のゴールテープを切れるように頑張りたい」。

岩見秀哉は「任された区間で頑張る」

しぶいところで9区を希望したのが新号健志(4年、秋田中央)と高橋勇輝(3年、長野日大)。復路最長の23.1kmは、混戦が予想される新年の大会では終盤の重要な区間になる可能性がある。新号は「4年生として安定感を出しつつ、しっかり攻めの姿勢を崩さない積極的な走りを心掛けたい」。希望区間を言わなかったのは2年連続箱根を経験している(19年4区15位、20年8区2位)岩見秀哉(4年、須磨学園)で「4年間で一番練習することができている。希望としてはなくて、任された区間で頑張る」。

壮行会での発言はあくまでも選手の希望で、チームの戦略とは全く別問題。その後の会見で原監督は「『走りたい』のと『走れる』のは違います」と説明していた。

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