陸上・駅伝

特集:第97回箱根駅伝

箱根駅伝チームエントリー発表・シード10校編 強豪校の注目選手は?

箱根駅伝が陸上引退レースとなる主将の神林。どんな走りになるか期待(撮影・安本夏望)

2021年1月2日・3日に開催される第97回箱根駅伝のチームエントリーが10日、発表された。大会は往復10区間、217.1kmで競われる。1チームにつき16人がエントリーされ、29日に改めて区間エントリーが発表される。この記事では前回シード権を獲得した10校のメンバーを紹介する。

例年は当日変更は4名までとされているが、この状況下でルールが変更され、メンバー変更は6名まで認められることとなった。1日に変更できる最大人数は4名までとなる。

※10000m、ハーフマラソンの資格記録は12月10日時点の主催者発表に準ずる。10000mの資格記録を持たないものは5000mの記録を記載。

箱根駅伝チームエントリー発表・予選会からの10校&学生連合編 上位を目指す!

前回1位 青山学院大学

前回大会では4区でトップに立つと、その後一度も先頭を譲ることなくゴールへ。「駅伝力」の高さをまざまざと見せつけた。これが引退レースとなる主将の神林を中心に、ダブルエースの𠮷田圭太の走りにも注目。昨年ルーキーながら2区を走り区間5位と好走した岸本大紀(2年、三条)はけがの影響でメンバーから外れた。1年生から4年生までまんべんなく安定して走れるメンバーが揃っており、層の厚さは出場校随一だ。
10000m上位10名の平均タイムは28分47秒19。

岩見秀哉(4年、須磨学園)      28分49秒13 1時間03分13秒
神林勇太(4年、九州学院)      29分01秒43 1時間01分53秒
新号健志(4年、秋田中央)      29分04秒69 1時間02分43秒
松葉慶太(4年、浜松日体)      29分01秒07 1時間04分37秒
𠮷田圭太(4年、世羅)         28分27秒40 1時間01分46秒
竹石尚人(4年、鶴崎工)         28分50秒63 1時間04分10秒
飯田貴之(3年、八千代松陰)     28分49秒45 1時間03分10秒
髙橋勇輝(3年、長野日大)      28分58秒28 1時間03分17秒
湯原慶吾(3年、水戸工)         28分44秒99 1時間03分40秒
大澤佑介(2年、樹徳)            29分07秒82 1時間05分35秒
近藤幸太郎(2年、豊川工)      28分35秒28 1時間03分42秒
中倉啓敦(2年、愛知)            28分56秒13 1時間02分26秒
中村唯翔(2年、流通経大柏)   28分45秒92 1時間02分52秒
横田俊吾(2年、学法石川)      29分03秒99 1時間05分21秒
脇田幸太朗(2年、新城東)      29分03秒66 1時間03分13秒
佐藤一世(1年、八千代松陰)   28分54秒66

前回2位 東海大学

2連覇を狙った前回大会だったが、一度もトップに立つことはなかった東海大学。だが復路で見せた強さはさすがだった。今年は4年生の塩澤、名取、西田を中心としたチーム。そこに駅伝経験のある市村、11月の全日本大学駅伝で好走した長田など3年生がつづく。全日本大学駅伝でルーキーながら区間新記録で区間賞を獲得した石原の箱根駅伝デビューにも注目。
10000m上位10名の平均タイムは29分05秒50

西田は5区でリベンジしたいと夏に語っていた。3年連続の5区となるか(撮影・佐伯航平)

塩澤稀夕(4年、伊賀白鳳)  28分08秒83 1時間14分39秒
名取燎太(4年、佐久長聖)  28分10秒51 1時間02分44秒
西田壮志(4年、九州学院)  28分37秒37 1時間03分27秒
米田智哉(4年、大阪)    29分19秒07 1時間03分10秒
市村朋樹(3年、埼玉栄)   30分28秒03 1時間02分53秒
田中康靖(3年、小林)    30分14秒69 1時間05分08秒
中嶋貴哉(3年、宮古)    29分44秒33 1時間04分34秒
長田駿佑(3年、東海大札幌) 31分55秒62 1時間07分09秒
本間敬大(3年、佐久長聖)  29分16秒29 1時間02分59秒
川上勇士(2年、市船橋)   28分59秒60 1時間07分40秒
佐藤俊輔(2年、鶴崎工)   29分51秒17 1時間03分39秒
竹村拓真(2年、秋田工)   29分56秒03 1時間03分28秒
濱地進之介(2年、大牟田)  28分51秒80
石原翔太郎(1年、倉敷)   30分59秒38
佐伯陽生(1年、伊賀白鳳)  13分55秒89
𠮷井来斗(1年、西脇工)   14分15秒47

前回3位 國學院大學

前回大会では最終10区のデッドヒートを制し、笑顔で大学史上最高、3位のゴールとなった國學院大學。今年は3年の藤木、2年の中西大を中心としたチームだが、ここへ来て臼井、河東をはじめとした4年生が実力を伸ばしてきている。3年生主将の木付もスピードをつけてきており、区間配置が注目される。
10000mの上位10名の平均タイムは28分56秒65。

アンカーを務めた殿地のラストスパートが冴え、史上最高の3位となった國學院大學(撮影・藤井みさ)

臼井健太(4年、鳥取城北)  29分04秒20 1時間03分24秒
門田秀利(4年、松山商)   30分30秒17
河東寛大(4年、樟南)    28分25秒57 1時間02分28秒
木下巧(4年、日体大柏)   29分33秒64 1時間04分41秒
高嶌凌也(4年、日体大柏)  29分38秒94 1時間03分52秒
田川良昌(4年、八千代松陰) 29分36秒41 1時間04分05秒
徳備大輔(4年、大塚)    29分34秒30 1時間09分22秒
藤村遼河(4年、東京実)   29分28秒02 1時間03分25秒
石川航平(3年、日体大柏)  29分26秒82 1時間05分17秒
木付琳(3年、大分東明)   28分27秒59 1時間02分42秒
島崎慎愛(3年、藤岡中央)  28分46秒83 1時間05分23秒
殿地琢朗(3年、益田清風)  29分43秒64 1時間04分11秒
藤木宏太(3年、北海道栄)  28分24秒79 1時間02分17秒
中西大翔(2年、金沢龍谷)  28分17秒84 1時間03分59秒
中西唯翔(2年、金沢龍谷)  29分31秒19 1時間07分10秒
伊地知賢造(1年、松山)   29分38秒99

前回4位 帝京大学

前回5区区間18位と下位区間がありながらも、最終的に4位までまとめてくる力を見せた帝京大学。大学史上最高順位を目指し臨む。主将の星、4年生の小野寺の2人がダブルエースとしてチームに勢いをつける。1年生の小野も一人で走れる力を持っており、箱根デビューに注目したい。
10000mの上位10名の平均タイムは29分01秒52

小野寺悠(4年、加藤学園)  28分30秒17 1時間02分03秒
鳥飼悠生(4年、市船橋)   28分51秒64 1時間03分10秒
星岳(4年、明成)      28分20秒63 1時間02分20秒
増田空(4年、小豆島)    29分26秒46 1時間02分56秒
山根昂希(4年、和歌山北)  29分47秒67 1時間03分55秒
遠藤大地(3年、古川工)   28分34秒88 1時間03分53秒
寺嶌渓一(3年、前橋育英)  30分09秒59 1時間03分35秒
中村風馬(3年、草津東)   28分52秒37 1時間03分19秒
橋本尚斗(3年、鳴門)    28分52秒73 1時間07分10秒
細谷翔馬(3年、東北)    29分42秒34 1時間03分30秒
三原魁人(3年、洛南)    30分36秒40 1時間07分24秒
森田瑛介(3年、前橋育英)  30分32秒59
新井大貴(2年、前橋育英)  30分35秒08 1時間03分30秒
北野開平(2年、須磨学園)  30分37秒84 1時間05分42秒
山田一輝(2年、白石)    29分59秒24 1時間05分44秒
小野隆一朗(1年、北海道栄) 29分16秒36 1時間09分09秒

前回5位 東京国際大学

昨年は大エース・伊藤達彦(現・ホンダ)を擁し、大学史上初のシード権に加え5位という上位でゴールした東京国際大学。今年は目立った「エース」はいないが、4年の内田、佐伯などが着実に力をつけてきた。昨年3区で驚異的な区間新記録を樹立した2年生のイェゴン・ヴィンセントが今年はどこに入るのか注目だが、ルカ・ムセンビもエントリーされており、どちらが走るのかも気になるところ。。2年生では丹所も区間上位で走る力がある。
10000mの上位10名の平均タイムは29分05秒37。

荒井雄哉(4年、東海大山形) 29分22秒94 1時間04分15秒
内田光(4年、佐久長聖)   29分02秒34 1時間04分25秒
加藤純平(4年、九州学院)  29分15秒39 1時間05分29秒
熊谷真澄(4年、高田)    29分38秒27 1時間05分20秒
佐伯涼(4年、須磨学園)   29分29秒87 1時間04分29秒
杉崎翼(4年、東洋大牛久)  29分33秒45 1時間04分21秒
芳賀宏太郎(3年、学法石川) 29分07秒82 1時間06分41秒
三浦瞭太郎(3年、東農大二) 29分38秒23
丹所健(2年、湘南工大附)  28分39秒63 1時間05分00秒
善田修平(2年、滋賀学園)  29分29秒85
宗像聖(2年、学法石川)   29分13秒94 1時間06分12秒
ルカ・ムセンビ(2年、仙台育英) 28分20秒09
イェゴン・ヴィンセント(2年、チェビルべレク) 27分38秒48 1時間02分23秒
川畑昇大(1年、須磨学園)  29分58秒43
林優策(1年、滋賀学園)   29分57秒26
村松敬哲(1年、浜松商)   14分01秒00

前回6位 明治大学

全日本大学駅伝で3位に入った明治大学。山本佑樹監督は全日本大学駅伝レース後の会見で「箱根では優勝を狙う」ときっぱりと宣言した。「エースは誰だ」と問いかけ続けたという今年、4年生の小袖、3年生の手嶋、鈴木を筆頭に、自己ベストを更新する選手が続出。チーム全体に勢いがみなぎっている。
10000mの上位10名の平均タイムは28分31秒78。

前回大会5区を走った鈴木。往路5位で笑顔のゴール(撮影・佐伯航平)

小袖英人(4年、八戸学院光星) 28分29秒88 1時間03分41秒
大保海士(4年、東海大福岡)  28分40秒92 1時間08分49秒
長倉奨美(4年、宮崎日大)   28分36秒54 1時間03分23秒
樋口大介(4年、伊賀白鳳)   28分53秒33 1時間06分49秒
前田舜平(4年、倉敷)     29分03秒35 1時間04分20秒
村上純大(4年、専大松戸)   28分40秒61 1時間04分47秒
金橋佳佑(3年、札幌山の手)  28分56秒70 1時間05分24秒
鈴木聖人(3年、水城)     28分36秒16 1時間01分56秒
手嶋杏丞(3年、宮崎日大)   28分17秒58 1時間03分28秒
丸山幸輝(3年、佐久長聖)   28分58秒13 1時間06分41秒
漆畑瑠人(2年、鹿児島城西)  28分53秒09 1時間09分05秒
小澤大輝(2年、韮山)     28分38秒63 1時間04分55秒
加藤大誠(2年、鹿児島実)   29分08秒05 1時間03分29秒
櫛田佳希(2年、学法石川)   28分19秒77 1時間04分41秒
富田峻平(2年、八千代松陰)  28分35秒41 1時間02分59秒
児玉真輝(1年、鎌倉学園)   28分22秒27

前回7位 早稲田大学

前回大会では着実な走り、復路の強さが光った早稲田大学。11月の全日本大学駅伝では3区中谷、4区太田が力走、一時先頭でレースを進めるなど強さを見せつけた。中谷、太田は12月4日の日本選手権でも10000m27分台と絶好調。前回の経験者が8人残っているというのも大きなポイントだ。
10000mの上位10名の平均タイムは28分32秒27。

宍倉健浩(4年、早稲田実)  28分16秒95 1時間05分22秒
吉田匠(4年、洛南)     29分58秒90 1時間03分55秒
太田直希(3年、浜松日体)  27分55秒59 1時間05分24秒
千明龍之佑(3年、東農大二) 29分00秒57 1時間03分40秒
中谷雄飛(3年、佐久長聖)  27分54秒06
半澤黎人(3年、学法石川)  29分04秒24 1時間06分55秒
向井悠介(3年、小豆島中央) 29分25秒34 1時間04分35秒
室伏祐吾(3年、早稲田実)  29分04秒18 1時間07分13秒
山口賢助(3年、鶴丸)    28分20秒40 1時間04分50秒
井川龍人(2年、九州学院)  28分12秒13 1時間04分50秒
小指卓也(2年、学法石川)  29分42秒82
鈴木創士(2年、浜松日体)  28分40秒24 1時間05分07秒
北村光(1年、樹徳)     29分00秒51
菖蒲敦司(1年、西京)    28分58秒10
辻文哉(1年、早稲田実)   29分08秒11
諸冨湧(1年、洛南)     14分07秒20

前回8位 駒澤大学

全日本大学駅伝では6年ぶり13度目の優勝を飾った駒澤大学。箱根駅伝では2008年以来頂点から遠ざかっているが、エントリーした16人の選手のうち11人が28分台のタイムを持つなど、今年に入ってから層の厚さが桁違いになってきた。チームを引っ張るのはエース・田澤。ルーキーの鈴木、花尾、青柿らにも勢いがある。ここにチームをまとめる4年生たち上級生の力が合わされば、頂点奪還も現実味を帯びてくる。
10000m上位10名の平均タイムは28分26秒81で、これは出場校最速となる。

前回大会で3区を走る田澤(撮影・安本夏望)

伊東颯汰(4年、大分東明) 28分34秒91 1時間02分47秒
加藤淳(4年、西脇工)   28分36秒59 1時間03分04秒
神戸駿介(4年、松が谷)  29分28秒02 1時間02分56秒
小林歩(4年、関大北陽)  28分38秒75 1時間02分25秒
石川拓慎(3年、拓大紅陵) 28分45秒94 1時間03分07秒
佃康平(3年、市船橋)   30分18秒54 1時間04分47秒
花崎悠紀(3年、富山商)  29分25秒48 1時間04分48秒
酒井亮太(2年、西脇工)  28分53秒87 1時間04分14秒
田澤廉(2年、青森山田)  27分46秒09
円健介(2年、倉敷)    29分30秒30
山野力(2年、宇部鴻城)  28分36秒18 1時間03分14秒
青柿響(1年、聖望学園)  28分20秒42
唐澤拓海(1年、花咲徳栄) 29分36秒29
白鳥哲汰(1年、埼玉栄)  28分14秒86
鈴木芽吹(1年、佐久長聖) 28分23秒87
花尾恭輔(1年、鎮西学院) 28分30秒48

前回9位 創価大学

前回大会で9位となり、大学史上初のシード権をつかんだ創価大学。エースの福田、原富を中心にチーム力を高めてきた。10区区間新をマークした嶋津も調整は順調。今年もシード圏内を争うレースが予想される。
10000mの上位10名の平均タイムは29分05秒37。

石津佳晃(4年、浜松日体)         29分34秒46 1時間04分46秒
鈴木渓太(4年、東海大山形)        29分59秒88 1時間05分53秒
原富慶季(4年、福岡大大濠)        28分49秒57 1時間03分38秒
福田悠一(4年、米子東)          28分19秒26 1時間05分01秒
小野寺勇樹(3年、埼玉栄)         29分27秒14 1時間05分40秒
嶋津雄大(3年、若葉総合)         29分01秒84 1時間04分09秒
永井大育(3年、樟南)           29分43秒94 1時間03秒52秒
三上雄太(3年、遊学館)          30分12秒58 1時間04分21秒
緒方貴典(2年、熊本工)          30分13秒87 1時間06分10秒
葛西潤(2年、関西創価)          29分32秒68 1時間05分03秒
濱野将基(2年、佐久長聖)         29分39秒74
横山魁哉(2年、島田)           29分40秒65 1時間05分24秒
フィリップ・ムルワ(2年、キタテボーイズ) 27分50秒43
森下治(1年、屋久島)           29分58秒98
山森龍暁(1年、鯖江)           29分21秒12
吉田悠良(1年、利府)           29分17秒48

前回10位 東洋大学

「強い東洋を取り戻す」をテーマにこの1年取り組んできた東洋大学。11月の全日本大学駅伝では8人中4人が駅伝未経験のメンバーだったが、堅実な走りでシード権を獲得した。エース西山を中心に、前回5区区間賞区間新の宮下らが確実にエントリーした。全日本大学駅伝に出場していない箱根駅伝経験者の吉川や蝦夷森らが経験を発揮し、新戦力とともに戦えれば、上位を伺える力は十分にある。
10000mの上位10名の平均タイムは28分58秒10。

大澤駿(4年、山形中央)   29分16秒92 1時間07分22秒
小田太賀(4年、浜松商)   29分09秒53 1時間05分06秒
西山和弥(4年、東農大二)  28分03秒94
野口英希(4年、松山)    28分56秒48 1時間04分05秒
吉川洋次(4年、那須拓陽)  28分53秒51 1時間03分48秒
蝦夷森章太(3年、愛知)   29分46秒16 1時間03分56秒
腰塚遥人(3年、桐生工)   29分44秒62 1時間10分19秒
宮下隼人(3年、富士河口湖) 28分37秒36 1時間04分59秒
久保田悠月(2年、埼玉栄)  29分19秒26 1時間05分06秒
児玉悠輔(2年、東北)    29分56秒20
清野太雅(2年、喜多方)   29分03秒59 1時間03秒48秒
前田義弘(2年、東洋大牛久) 29分14秒42 1時間04分26秒
九嶋恵舜(1年、小林)    29分05秒99
佐藤真優(1年、東洋大牛久) 29分24秒06
松山和希(1年、学法石川)  13分48秒80
村上太一(1年、北見緑陵)  29分26秒32

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